2012年2月 2日 (木)

「御しがたい自然とともに前へ歩む」

明治大学にレクチャーに来ていただいたこともある、靴デザイナーの串野真也さんが、またまた幻想的な新作を発表した。靴を使ってさまざまな感覚や考えを表現する串野さんは、靴デザイナーというよりむしろ、靴アーティスト。
タイトルは、'REBORN' (再生)で、全8作。以下、ご紹介するのは、そのうちの4作です。ここにおいて、靴は「世界」というか、「踏みしめる大地」のイメージ。はじめに苔が芽生え、

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豊かに成長し、美しい花が咲き乱れて絶頂を迎える。

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でもやがて衰退していき、そこにすべてを焼き尽くす天災(震災)が起きる。

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いったんそこでなにもか失うのだけれど、やがてまた小さな命が生まれ、再び未来に向かって進んでいく……(そして最初へ戻る)という円環的なストーリーになっている。

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今回の作品には、すべて本物の植物が使われている。自然の恐ろしさと美しさ、自然がもたらす絶望と希望とが、8作品から強く伝わってくる。

靴は「歩くこと」の象徴でもある。御しがたくとも共生していかねばならない自然とともに、前向きに歩いて行こう、という串野さんの願いがこめられた作品群。

串野さんは、この作品群ではないけれど、2月10日~12日にニューヨークで、3月4日~6日にパリで開催されるWAO展(経産省がクールジャパン戦略推進事業としておこなう、「世界をWAOと言わせるこれからの日本の工芸」展)にも出品する。

クールジャパンについては、とかく冷笑的な見方もあるけれど、批判ばっかりじゃ殺伐としてしまう。顔が見える、一人一人のアーティストの着実な活動を見守って応援していくことが、ホントにささやかだけれど、私のような物書きにも「できること」なのかな。

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2012年1月 5日 (木)

気になるのは、下着よりもむしろ

デイヴィッド・ベッカムの下着広告写真なら、すでにアルマーニで見慣れているけれど。

今度はH&M。しかも自分自身で(ヴィクトリアの協力つきで)デザインしたという下着コレクションを、ご自身がモデルとなって披露。2月2日から発売されるとのこと。

気になるのは、下着のデザインそのものよりもむしろ、かなりの広範囲に彫りこまれたタトゥー。日本に来ても温泉には決して入れないだろうベッカム。イギリスでは日本ほど抵抗はないらしいとはいえ。

日本でもこの広告写真を使うんだろうか。で、苦情なんて来ないんだろうか。倫理の枠をとっぱらってこそもてはやされるファッション業界、モンダイなんてないのだろうか。日本での反応はどうなるんだろう、興味しんしん。

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2011年12月27日 (火)

フェティッシュなモード感のための+1

このところ、毎日のように愛用しているアイテムがある。「ミス・アシダ」のレザー・パッツである。ロングブーツをはきたいのだけれども着脱もケアも面倒だし.…と思っていたところへ、どまんなかのツボにささった。

足首から太ももまでをカバーするストレッチレザーの覆いで、パンプス+レザー・パッツで、サイハイブーツのようにも見える。くるくると巻いて持ち歩けるので、移動時の足元のバリエーションの演出も可能。コンサバなワンピースでも、これひとつでフェティシュ風味の効いたモード感が出せる。なによりも、とにかくあたたかいのである。

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グッドアイディア。こういうアイテムがほしかった…と感激していたら、やはり意匠登録申請中とのこと。マネっこはだめよ!

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2011年12月25日 (日)

「東京ファッション」の現在

「感じる服 考える服」展。東京オペラシティ―にて。

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パリやミラノのコレクションが追及する贅沢な美の方向とも違う。ブランドが提案するラグジュアリーとも違う。ファストファッションの実用とも違う。

独特のクリエイションが際立つ東京ファッションの10ブランドが、それぞれのブランドのポリシーが伝わるような工夫で展示されている。

アンリアレイジ、エイチ・ナオト、ケイスケカンダ、まとふ、ミナ ペルホネン、ミントデザインズ、サスクワッチファブリックス、ソマルタ、シアタープロダクツ、リトゥンアフターワーズ。

この展示ではじめて知ったブランドが半数以上。純文学風な展示もあったが、服を着る、服を創るとはどういうことなのか、それぞれのデザイナーが真剣に考えていることが伝わってきた。

こんな刺激的なファッションの展示、これからもどんどんやっていってほしい。

ヴィジターのスタイルも、興味深かった。ファッションの展示をわざわざ見にくるほどだからかな、日ごろあまり見かけない個性的なスタイルの若い人が多く、観客ファッションもひそかに楽しませていただいた(品がなくてスミマセン)。

書籍には、デザイナーの考えや経歴がより詳しく記されている。東京ファッションの現在の見取り図もわかる。惜しまれつつも休刊になってしまった「ハイファッション」という雑誌を書籍の形にしたような印象の本だが、こんなスタイルが、今のファッションを伝えるにはふさわしいのかなとも思う。

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2011年12月20日 (火)

履けない。だから何だ。

表参道ヒルズで、ヴィヴィアン・ウエストウッドのシューズ展。

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ヴィヴィアンの声が淡々と流れるなか、過去のシューズコレクションが一堂に展示されている。やはり生の作品の迫力はすばらしく、ダイレクトに感覚に訴えてきて、ドキドキした。圧巻はやはり、ナオミ・キャンベルがこれをはいてコケたことで有名になった、スーパー・エレヴェイテッド・ギリー。履けない。だから何だ。っていうその挑発的なスピリットにぐっとくる。靴の意味ってものを、根本的に問いただされ、常識を揺さぶられる感覚がたまらない。

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表参道のイルミネーションが美しすぎ。この時期にこういうのを見ると華やぐのかもしれないが、その分、寂寥感がひときわ深まっていくというかね。100%の幸福などありえないことを、かみしめさせられる。まあ、こういうほろ苦い気分もすっかり自分の一部になった親しい感覚ではある。

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2011年11月22日 (火)

「ファッション美術館が学校だった、と言ってもらえるように」

神戸ファッション美術館の名物(?)学芸員、浜田久仁雄さんが、ファッション美術館でおこなおうとしている人材教育について、熱く語っている。

http://www.youtube.com/watch?v=iGvr_8vWq2E

360度から見ることができる展示。

洋服を最大限に美しく見せるために工夫された、独特のマネキン。体型ばかりか、顔までも。オーランド・ブルームがモデルになっていたりもする。

「着ることができる」複製品の制作。

彼の試みには、いつも驚かされていたが(常に賛否両論あった)、こうして、自分のやろうとしていること、実際に行っていることをわかりやすく熱をこめたことばで発信するという態度もまた、あっぱれだと思う。

「黙々と誠実にやってれば誰かがわかってくれるだろう」という慎ましさは好ましく思うものの、現実はそれで通用する時代ではなくなっている。有言実行。ビジョンを明らかにして人についてきてもらう。多くの仕事人と接するうちに、それもまた責任のうち、と痛感するようになったこのごろ。

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2011年11月19日 (土)

動作やしぐさに服がついてくる、その秘訣は

夏のブランメル倶楽部のイベントで、お仕事をご一緒したテイラー、鈴木健次郎さんのミニトークショウつき受注会@銀座和光。

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日本にパリのテイラー文化を伝えたい、という熱い志のもと、少しずつ仕事の重点を日本へ移していきたいとのこと。

いつもながら感心するのだが、鈴木さんの、自分のヴィジョンを伝える表現力というのはとても高い。「黙っててもわかるだろう」なんて甘いことが通用しない異国で鍛えられたのか、あるいは元々表現力が豊かであったのか、いずれにせよ、メッセージがブレず正確に、しかも熱を帯びて、きちんと伝わってくる。

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以下、かなりランダムだが、彼の話の中からなるほど、と感じた点。

・フランスは階級社会であるから、日本のように「好きだから」語るとか、「好きだから」こんな服を買う、という発想があまりない。語るスポーツひとつとっても、階級によって異なる。当然、階級によって、作るスーツも違う。

・パリのスタイルといっても、フランスのテイラリング産業を支えている多くの人々は、外国人移住者であったりする。異なる宗教観、文化をもつ外国人が、自分のフィルターを通して、フレンチスタイルを形づくっている。そこが面白いところでもある。彼ら職人は「世界でいちばん美しいものが集まるのはパリ」という信念をもっており、自分にしかできない美しい物を作ろうとすることに、職人としての誇りをもっている。

・パリの上流階級のエレガンスのエッセンスは、「ディスクレ」(英語でいう、discreet、控えめな部分における美しさ)にある。教育、支払い方、チップの渡し方、すべてにおいて「ディスクレ」な態度が貫かれている。服においてもそうで、誇張されたスタイルはよしとされない。部分的な意匠で驚かせたりはしない。その服はどこの?と聞かれるのは、野暮の極み。着る人自身がエレガントに魅力的に見えるカッティングこそが、最重要事項として求められる。このあたりの美意識は、日本人にも通じるところがあるはず。

・自分が作るスーツにおいては、空気感を重視している。日本人の体型にぴたりと合わせてスーツを作ると、マッチ棒のようになってしまいがち。それでは美しくないので、立体感や奥行きを重視し、前面に空気の層を二重、三重に入れる。そうすることで、動作やしぐさに服がついてくる。日本の「着物をまとう」感覚と同じ。空気の層でゆとりがあっても、ウエストをシェイプしているので、ぶかぶかに見えることはない。

・フランスの顧客はテイラーに3度のチャンスを与える。一度目は、「体に合った」服。二度目は、その人の動作や癖や着心地やポケットに入れるものの習慣などに応じてゆとりを考慮した服。三度目はテイラーの美意識の反映も許すような服。三度の「テスト」にパスすれば、「レッセフェール」、あとは信頼して任せてもらえる。

・あと5年から10年足らずで、パリからテイラーはいなくなる。パリにはすばらしいテイラリングの伝統があり、何年もかけてレベルを上げてきたはずなのに、肝心のパリのテイラーがそれを次代へ伝えていこうとしない。その点が「継承」重視のアングロサクソンと違う点で、残念なところである。せっかくパリで修業を積んだ自分は、そのような貴重なパリのテイラリング文化をなんとしても日本へと伝えたい。その使命感をもって仕事をしていく。

テイラリングは文化を背負う。そして誰かがそれを、明確な言葉とそれを具現化する作品を通して伝えていかねばならない。孤独でハードルの高い仕事を辛抱強くやろうとしている鈴木さんは、仕事への向き合い方においても、多くのインスピレーションを与えてくれる。

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2011年10月23日 (日)

KENJIRO SUZUKI sur mesure Paris 受注会のご案内です

8月にトークショーの司会をさせていただいた鈴木健次郎さんが、日本で初めての受注会をおこなうことになりました。パリの一流メゾン、「フランチェスコ・スマルト」で日本人初のチーフカッターをつとめたテイラーです。生来の才能とセンスの持ち主であることに加え、大変な努力家でもある熱意あふれる方で、パリテイストのスーツをお考えになっていらっしゃる方、いかがでしょう。まずは和光でのミニトークショーをのぞきにいらしてみては。以下、ご案内です。
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11月12日、13日神戸ブランメル倶楽部主催「ツイード ア ウォーク」に合わせて KENJIRO SUZUKI sur mesure Paris の受注会を開催します。

日本での正式な受注会は初めての事となります。
1950年代にムッシュウ・スマルトが創り上げたフレンチテーラーリング、そのエスプリとエレガントを自身のフィルターを通して表現します。

... 日時 11月12日(土)13日(日)神戸旧居留地内ホテル  
   11月17日(木)18日(金)東京都内ホテル
   11月19日(土)20日(日)銀座「和光」(完全予約制)
「和光」では両日共に13:00~13:30(予定)で
鈴木健次郎氏に依るミニトークショーも行います。
こちらのみの参加でも結構です。
     「和光」問い合わせ
紳士用品売り場 03(3562)2111(代表)
     
14日から20日は東京に居ますので
日時に付いては時間が合えば対応させて頂きます。

場所・価格についての詳細はメールでお答えしております
お気軽に御問い合わせまた、遊びにおいで下さい(ご連絡の上)。
多くの方々とお会い出来るのを楽しみにしております。

KENJIRO SUZUKI sur mesure PARIS

contact@kssm-cecilia.com

(France) +33(6)72 77 29 81
(Japon) +81(0)90 25 30 12 84

http://www.kssm-cecilia.com/

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2011年9月12日 (月)

「着ないでくれたら、お金出します」

◇ブランドのイメージを高めるために、有名人に自社ブランドの服を着てもらう。セレブリティ・エンドースメントと呼ぶのだが、その逆パターンが、最近立て続けにニュースになっていた。

新しいところでは、ラコステ。7月22日にノルウェーで77人を無差別に殺害したBreivikが、ラコステ愛用者だった。ワニのマークがくっきりとわかる赤いセーターを着て警察の車に乗った写真が、世界に配信されてしまった。

ラコステ側はブランドイメージが傷つくことを恐れ、ノルウェーの警察に、Breivikにラコステを着用させないように懇願。だけど、Breivikは囚人服を着ることを拒否し、自分の服を着続けることを主張しているのだという。で、現場検証のために再訪した犯罪現場でも、やはりラコステを着て、写真に撮られている。

ラコステにとっては、悪夢でしかない。とんだ災難でしたね…。

記事のソースは英「インデペンデント」9日付。Lacoste begs police: please stop mass killer wearing our clothes.  by Tony Paterson.

http://www.independent.co.uk/news/world/europe/lacoste-begs-police-please-stop-mass-killer-wearing-our-clothes-2351641.html

◇もうひとつは、アメリカのアバークロンビー&フィッチ。8月18日前後に各紙で話題になっていた古いニュースなのだが。オールアメリカンなイメージのあるアバクロだが、人気テレビ番組「ジャージー・ショア」に出演している俳優、マイケル・ソレンティーノに、「ウチの服を着るのをやめてくれたらお金を出す」と申し出たとのこと。というのも、ソレンティーノとアバクロのイメージが結びつくことが「著しくブランドイメージを傷つける」ことになるから。

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ソースは、8月11日付「テレグラフ」。Why pay a celebrity not to wear your clothes? By Stephen Bayley. 

セレブリティ・逆エンドースメント。着られたらイメージダウン。着ないでくれたらお金を出しますって…(笑)。服はいったん世に出たらもうあとはブランドが関与するところではないはずなのだが。

セレブリティ・エンドースメントの支配がいかに現在強力なのかということを、あらためて知らされたお話でもあった。

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2011年7月 7日 (木)

男の足元に変化の気配?

男性の靴の流行に変化が起こりつつある、の記事2本。まずは、イギリス。かつてタブーだった「町の中でブラウンシューズをはく」ことが、今はタブーでもなんでもなくなっているというお話。「インデペンデント」6月26日付。Brown shoe sales are soar as men jettison sartorial rules.  By Paul Bignell.

取材による証言(というほどでもないが)がいくつか紹介されている。かいつまんでメモ。

ジョン・ルイスのメンズ靴バイヤーの話。「昨年、ブラウンシューズの売り上げは15%上昇している」。

ハロッズのメンズウエア部門マネージャーの話。「男性のビジネスウエアは、カジュアル化がすすんでくるとともに、スタイルミックスの傾向が強くなってきました。プレッピールックが靴の選択に影響を与えています。退屈なのは嫌われます。ブラウンシューズは目立つので、男性のスタイルのアクセントになります」。

バートン(「AOKI」みたくいろんなところにチェーンストアがあるメンズショップ)は、高級靴店ロークと提携した。目的は、通常は高価な靴を、一般大衆向けに手の届く価格で届けること。バートンによれば、「ここ2シーズンほど、売り上げは確実に上昇している。とりわけ茶のブローグがもっとも人気」

記事によれば、男性が最初にブラウンシューズをはき始めたのは、60年ほど前。ケーリー・グラントやフレッド・アステアがグレーのトラウザーズに合わせてブラウンシューズをはいた頃。だが、1960年代に事情が変わる。ビジネスマンが制服としてシリアスな黒をはく。今では、ブラウン革命の最前線にジュード・ロウやロビー・ウィリアムズがいる。

若い世代は、上の世代や保守的なビジネスマンとの違いを示すために、ブラウンシューズをはく。このトレンドは進んでいて、止まる気配はない。

1879年創業のクロケット・ジョーンズといった伝統的なシューメーカーでも、茶色の靴の売り上げは上昇している。「応用範囲が広くて、使いやすく、快適だからね」とマネージング・ディレクターの話。

さてもう一つの記事は、アメリカ。室内ばき(というか、夜の正装用)であるはずのヴェルヴェット・スリッパーが、外ではかれはじめている、というお話。「ウォール・ストリート・ジャーナル」6月23日付。How Going Outside in Slippers Became Cool.  By Ray A Smith. 動画版もあり。

http://online.wsj.com/article/SB10001424052702304791204576401741575390086.html#articleTabs%3Dvideo 

ヒュー・ヘフナー(「プレイボーイ」の創刊者)風にイブニング・スリッパーをはく。しかもストリートで、ソール厚めにして、クロップトパンツやジーンズやスーツと合わせて。

スタッブズ&ウットンでは、若い世代の需要が高まったためにヴェルヴェット・スリッパーの売り上げが40%上昇した。コレ↓が、Stubbs & Woottonの今どきヴェルヴェット・スリッパー。

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ブルックス・ブラザーズのメンズファッションデザインのディレクターの話。「金糸でBBのモノグラムを刺繍した型を含むヴェルヴェット・スリッパーは、最近、たいへんよく売れている」。

6月初めのNYで、CFDAの授賞式にあらわれたカニエ・ウエストは、ジーンズにあわせてスリッパーを着用。

スリッパーは紐なしではけるという点で、エスパドリーユと似ている。2012年SSのコレクションでは、多くのモデルやゲストがトラウザーズをロールアップし、足首を見せて靴下ナシだった。こういうスタイルには、スリップオンシューズが必要で、その点でもこれがウケているのではないか?と。

以下は中野による勝手なつぶやき。

ヴェルヴェットなので雨が降ったらはけないみたいだし、だれもがヒュー・ヘフナーみたく「スタイル」として貫けるわけじゃないから、一時のファッドだと思うが。それよりも、この形のフットウエアって「スリッパー」というよりもむしろ「ローファー」と総称されるもんだと思い込んでいたので、呼称にやや意外感あり。

茶系靴をあえてはく男たちのメンタリティに、「上の世代との違いを示すために」というのがある、という点は納得。装飾&草食系男子に、上の世代への抵抗すらなくなっていたら、憂うべきことだ。

「足首見せ」がじわじわと広がっているのか? 上の記事にも言及されてるが、ファッションシーンに登場するような男はみんなソックスレスだったりするし、男子大学生もほぼ全員といっていいほど、ロールアップやショートのボトムに足首見せである。大学生がやるぶんにはかわいいけど、あの「エルメス」までスーツに足首見せを提案しているのがちょっと引っかかった。(同WSJの別の記事、ストリートからオフィスまで足首見せがくる、の報。左中ぐらいの男性の写真を拡大クリックして足元に注目)

http://online.wsj.com/article/SB10001424052702304314404576414311300500124.html

クリストフ・ルメールによるエルメス、2011-12秋冬。靴もご丁寧に茶系だし。

こうなると、脛を見せないためにホウズをはこう、なんてコンサバティブな提案が空回りしてしまう気もするんですが……(笑)。

モードはあくまでモードであって、いわゆる一般の男性が着るような仕事服としてのスーツとは無縁のもの、という意見もあるのだが、まったく影響を及ぼさないかといえば、そうとも言えないのではないか。あのエディ・スリマンのスリムスーツの影響が、10年たって量販店のスーツを変えたように、このトレンドだってどう化けるか、誰にも断言できない。

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