2010年7月29日 (木)

闘牛は文化的遺産か、動物虐待か

カタロニアの議会が闘牛を禁止する、という記事。「ガーディアン」28日付。

2011年末をもって、バルセロナからカタロニアの北東部にかけて、闘牛が見られなくなる。闘牛は動物虐待、という時代の勢いが、ついにここまできたのか、という感じ。

この決定に反対する人の声も多数。闘牛は残酷なスポーツなどではなく、芸術である、と。

自由に対する侵害である、という声も。子供たちや若い人は、怒れる牛に対する対処の仕方を学ぶ。見に行くか、行かないかは個人の自由であって、一方的に禁止するのはおかしい、など。

長い歴史をもつ文化的遺産か。断ち切るべき野蛮な慣習か。「倫理的」であらねばならない時代の流れにあっては、闘牛に対して後者の見方をとる人が圧倒的に多かった。

見られなくなる前に、ぜひ一度見ておきたいと思うが。

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2010年7月28日 (水)

英国男子もイタリアの服を着る

イングランドのサッカーチーム「チェルシー」が、選手の公式スーツと「私服」のデザインを、イタリアの「ドルチェ&ガッバーナ」に依頼したというニュース。「インデペンデント」28日付。服装だけではなく、スタジアム内のスペースも改装し、「ドルチェ&ガッバーナ・ラウンジ」と呼んでいるという。

ドルチェ&ガッバーナはすでに二回、イタリア代表チームのデザインをしているし、「ACミラノ」の選手たちのスーツも作っている。が、外国チームのデザインは初めてになる。

濃紺の艶っぽいスーツで、シャツがダークカラー(白とかブルーではなく)であることが目立つ特徴。そこはかとなく「遊び人」っぽいムードを醸しだす。

ドル&ガバの得意とする、「男の自信を誇示するような男らしさ」が、サッカー選手に好まれているということか。少なくとも、イギリス的な「アンダーステートメント」(控え目表現)はそこにはない。

男の服ならイギリス製が格上、と思いたかったが、もうそんな時代でもなくなったのかもしれない。サッカー選手が自由で色気と勢いのある服をグローバルに求めたら、ドル&ガバにいった、という印象。

それはそれでいいことだと思うが、サッカー選手のライフスタイルが憧れと模倣の対象になることを思うと、英国男子もイタリア男のようになっていく風潮が強くなっていくのかな……(18世紀にもイタリアかぶれの「マカロニ」男子などが、いたわけだが)。

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2010年7月24日 (土)

「経験」か「搾取」か?

ファッション関連会社に憧れ、少しでもそこにコネを得たいと思って「インターン」として働く人は多い。だが、その現実は、長時間タダ働きの「搾取」であり、結局は正規就労のチャンスも得られないことが少なくない、という記事。英「ガーディアン」24日付、ジェイミー・エリオット執筆。

http://www.guardian.co.uk/money/2010/jul/24/fashion-industry-interns

「インターン」として働く側は、その夢と野心(?)につけこまれ、労働基準法違反であるようなヒドい条件にサインさせられる。「搾取」の一種である。一方、雇う方は、使い物にならない人間に、金では買えない「経験」という貴重なものを与えてあげるのだ、という認識。

記事に登場した25歳のルーファスは、すでに5社で無賃労働のインターンシップを経験しているが、いまだに就労の機会にも恵まれず、疲弊するばかり、とその苛酷な労働内容を暴露している。某ブランド(記事では明確にブランド名が記されている)の刺繍部門では、一人のデザイナーと10人の無賃労働のインターン(!)が働いて作品を作っているという。

もちろん、記事では「インターン」制のよい点も指摘されている。業界のことをまったくわからない学生にとっては、具体的にビジネスがどのように行われているのかを、実際に体験して知ることができる貴重な機会となること。

金にはかえられない「経験」か。あるいは「経験」という名の下の搾取か。どこで線引きをするのか、難しい問題だと思う。

記事にならなければ、明るみに出ない問題であった。華やかなワンステージの陰にひそむ、シビアな労働問題を、よくぞ暴いたものだ・・・と感心する。そんなジャーナリズムが存在できる風土があることじたいが、あっぱれ(日本では、ここまで書いたら業界から総バッシングにあうのではないか、と憶測する)。

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2010年7月 7日 (水)

女王も「リサイクル」ドレス

エリザベス女王もドレスを「リサイクル」、との報道。英テレグラフ7月6日付。

昨年秋、トリニダード・ドバゴで着用した白いドレス(同国の象徴の鳥の装飾がつけられていた)を、鳥の飾りをとり、スワロフスキーをたっぷりとあしらうことで「リサイクル」して、トロントでの晩餐会に着用したそう。今回はカナダに敬意を表し、スワロフスキーでメイプルリーフ(同国の象徴)のモチーフが形作られた。

この「リサイクル」ドレスに貢献したのは、女王のスタイリストでパーソナルアシスタントの、アンジェラ・ケリーのチーム。

白いドレスにきらきらのクリスタルのメイプルリーフが流れるような光を添えて、女王のシルバーヘアーと調和している。政治的メッセージ、時流への倫理的配慮(セレブだって同じ服を着まわし)が感じられるばかりか、なによりも、迫力の美しさ。女王、クールである。

http://www.telegraph.co.uk/fashion/fashionnews/7873996/Queen-wears-recycled-dress-to-banquet-in-Toronto.html

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2010年7月 2日 (金)

笑わぬカリスマ

ヴィクトリア・ベッカムがレンジ・ローバーのデザインをすることになった、という記事。英テレグラフ7月1日付け。

車とファッションがコラボしていく流れ・・・というよりもむしろ、ヴィクトリア・ベッカムのとどまるところをしらない発展、と位置づけるべきなのか。自身のファッションブランドも成功させ、下着モデルとしても活躍。もうだれも「ベッカムの妻」とは見ない。ピン立ちしている。

それにしてもこの人は笑わない。笑顔のショットがみごとにない。それでどんどん格を上げていく。

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2010年7月 1日 (木)

グッチ vs グッチ

◇ラグジュアリーブランドのグッチグループが、創設者の子孫にあたるエリザベッタ・グッチに対して訴訟を起こす、という記事。英「インデペンデント」6月27日付。

エリザベッタ・グッチは、現在イタリアのインテリア&アクセサリーを扱う会社のアーティスティック・ディレクターで、グッチグループとは無関係。エリザベッタは「エリザベッタ・グッチ・ホテルズ&リゾーツ」というラグジュアリーホテルグループを展開しようと計画を立てており、今後15年で40のホテルを建設する予定。最初のホテルはドバイに今年オープンする。

で、グッチグループとしては、自分たちとは関係ないのに「グッチ」の名前を出してもらっては困る、というわけらしい。

とはいっても、創設者の子孫だから「グッチ」の名はこの人のものでもあり、悪意をもってかたっているわけではない。

ブランドの名前が、創設者ファミリーやデザイナー自身とはぜんぜん違うところで大きくなっている例はほかにも多々あるが、このように名前をめぐって訴訟が起きるのは、珍しいかも。

今後の行方を見守りたい。

◇書評感謝:東洋経済、日本経済新聞夕刊、週刊新潮。

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2010年6月22日 (火)

「絶望と、悲劇なしに向いあえ」

表面上は華やかで幸福そうな人々ばかりに見えるモード界であるが、その中で働く人々の心の闇を考えざるをえない事件もときどき起きる。

メンズのミラノコレクション真っ最中の18日に、「バーバリー・プローサムの顔」として活躍してきたモデル、トム・ニコンが飛び降り自殺した、という記事。英「ガーディアン」21日付。22日には「インデペンデント」も同様の報道。

トム・ニコンはまだ22歳。ルイ・ヴィトン、バーバリー、ヒューゴ・ボスなどのモデルをつとめており、ヴェルサーチェのリハーサルから帰った直後、アパートの4階から飛び降りた。最近、ガールフレンドと別れており、それによる鬱が原因では、とのミラノ警察の報告。

ニコンばかりではない。以下、「ガーディアン」が報じた、最近のモード界における自殺および自殺未遂者。

先月にはマークス&スペンサーのモデル、ノエミー・ルノワール(30)がパリで自殺未遂。昨年11月には韓国のモデル、ダウル・キム(20)が首をつった。今年4月にはアメリカのモデル、アンブローズ・オルセン(24)が死亡。2月のアレクサンダー・マックイーンの自殺も記憶に生々しい。

4月にはコロンビアのモデル、リナ・マルランダが飛び降り自殺。2008年にはロシアのモデル、ルスラナ・コルシュノヴァがNYのアパートの9階から飛び降り自殺。

自殺する人はどの業界にもいて、プライベートな事情も多く関わってくるから、必ずしもモード業界の仕事によるストレスによるものと結びつけるわけにはいかない。でも、匿名のインサイダーのコメントから、モデルたちが受けるストレスの実態がうっすらと伝わってくる。

「オーディションに行くと、ディレクターたちが一目だけ見て、却下するんだ。その後ずっと、いったい自分のどこが悪かったのか、なぜ自分は仕事を得られなかったのか、と悩み続けることになる」

記事内に引用されていたジョルジオ・アルマーニの指摘が、重みをもって響いてくる。

「この業界はあまりにも若さを重視しすぎていて、22歳で人生が終わってしまうように思わせるのだ。私たちは、23歳以降もずっと人生は美しい、ということを若い人々に伝えなくてはいけない」

「絶望はどこにだってある。愛においても。でも、悲劇を招くことなしに、絶望と向かい合わなくてはならない」

帝王、アルマーニ75歳の言葉には力強い説得力がある。アルマーニはパートナーをエイズで失った後、絶望から立ち直り、独力で経営を学んで今の帝国を作り上げている。

死にたくなるような絶望と、悲劇なしに、向いあえ。きらびやかに見える業界だからこそ、求められるものも、厳しい。ニコンの冥福を祈る。

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2010年5月20日 (木)

マキシがあらわす気分

◇マキシ(くるぶしまでのロングスカート)の流行は日本だけかと思っていたら、どうやら(少なくとも)イギリス、アメリカでも。

英「タイムズ」でリサ・アームストロングがマキシについて記事を書いていた。

おもしろかった指摘が、マキシは「フェイクタン」(すじ脚に見せるための、なんちゃって日焼け)やハイヒール、「脚がソーセージのように見えないか?ジレンマ」から開放してくれる、という話。なるほど、脚を覆い隠し、ハイヒールとは相性の悪いマキシは、「ちょっとラク」したいという気分のあらわれかも? ここ数年続いたウルトラヒールの緊張に疲れたのかもしれない(笑)。

同記事内で、「アメリカン・ヴォーグ」による、新しいスカートのはきかたの提案も紹介している。「日中はロング、夜はミニ」と。

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2010年4月 9日 (金)

アナーキーな天才、去る

マルカム・マクラーレンの訃報にショックを受ける。「セックス・ピストルズ」のマネージャーとして、「パンクファッションの女王」ヴィヴィアン・ウエストウッドのパートナーとして、70年代のUKパンクムーブメントを先導した人である。64歳とまだ若かった。音楽とファッションの力で社会の方向を変えてしまった、クールな才能の持ち主だった。

マクラーレンとウエストウッドの息子、ジョー・コレは、挑発的で芸術的な広告でも知られる下着ブランド、エイジェント・プロヴォケターの創設者のひとりである(現在は経営から離れている)。マクラーレンの才能のDNAは、受け継がれていく。

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2010年3月23日 (火)

イースター<セレブ>エッグ

イースター(復活祭)の季節到来。有名人をエッグアートしてしまう人もいる。英「テレグラフ」のフォトギャラリー。

http://www.telegraph.co.uk/foodanddrink/foodanddrinkpicturegalleries/7505189/In-pictures-Easter-egg-celebrities-by-John-Lamouranne.html

雛人形の顔をセレブにしてしまうのと、発想は同じと言えば同じなのかもしれないが。卵でできたビートルズが、ブキミかわいい。

大地から新芽がでてくる季節において、卵は復活の象徴なのだそうである。

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