2010年7月15日 (木)

100%循環型の未来は可能か?

13日(火)に参加した、第120回次世代産業ナビゲーターズフォーラム@霞が関エキスパートクラブのメモ。情報量がたっぷりと多く、充実したフォーラムで、すべてを記録しておこうとするといつまでたっても書き終わらないので、とりわけ心に残ったことを備忘録まで。

この日の講演は、帝人株式会社取締役会長の長島徹さん。テーマは「帝人Gのものごとづくり」で、講演後、メンバー全員でテイジン未来スタジオの視察をおこない、お話の内容を裏付ける最先端のモノたちを見る。

恥ずかしながら、帝人と聞いて、ポリエステル繊維のイメージしか思い浮かばなかったのだが、いま、生活のあらゆる分野に帝人の最先端テクノロジーを用いた製品があることを知って、驚いた。

☆まずは、「グリーンケミストリー」研究開発の成果としての、炭素繊維。これを使った電気自動車やエアバスが開発されている。

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炭素繊維「テナックス」は鉄の五分の一の軽さ。展示されていた電気自動車はこれをコア部分に使用した車だが、437キログラムという超軽量である。

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この炭素繊維を用いた「レクサスLFA」が、近いうちに(?)、3750万円で発売される予定という。

鉄やアルミなどの金属に代わり、エコロジカルな繊維が車や飛行機のボディになる、ということじたいに、ちょっと興奮をおぼえる。

☆情報やエレクトロニクスの最先端の領域でも、帝人の製品が。3D画面を見るためのメガネ、パスモやスイカの中に入っている高機能フィルム、タッチパネルに使われている透明導電性フィルムも。

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上の写真は、黒い中央部分にパソコンをおくだけでコードレスでインターネットにつながる、というテーブル。会議がものすごくスマートになりそうだ。

☆ヘルスケア製品。睡眠時無呼吸症候群を治療するための機器をはじめとする、在宅医療のための製品や治療薬を展開している。

2008年以降の不況で、受けた打撃がもっとも少なかったのがこの領域、と聞いて、なるほど、と。

☆そして数多くの受賞歴を誇る、エコサークルのシステム。衣料やペットボトルを、本来のポリエステル素材に戻し、また別の衣類へとリサイクルする。

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常に素材のポリエステルに戻しては、そこから新しく作り直す、という永久循環型のシステムである。これだとゴミを出さず、二酸化炭素の排出量は77%削減され、エネルギー使用量は84%減少するという。

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リサイクルされた繊維でつくられたエコスーツも展示されていた。しわになりにくいので、出張などには便利かも。

『モードとエロスと資本』のなかでふれた、「ロイヤルチエ」のエコファーに用いられていたのが、ほかならぬこの帝人のリサイクル繊維であった、と知ってちょっとうれしくなる。

資源が枯渇し、ゴミが増える一方の地球環境のなかで、このシステムを生かしたものづくりは、未来に希望を感じさせる「よき循環」の一例とも見える。

テクノロジーがここまで進化していたことを目の当たりにして、驚きと感動をおぼえる。これをいかに生かして、グローバル化と国内雇用を推し進められるような産業構造を作り上げていくか。産業界と学界と官公庁が一体となったビジネス・イノベーションが今後の課題、と長島さんは結ぶ。各界の垣根を取り払い、その間を、人も思いもスムーズに循環させることも大切かな、と思う。

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2010年5月12日 (水)

「迷ったら、やる」

視察を終えたあと、代表取締役グループ代表、南部靖之さんのご講演。

表向きのテーマは「これからの働き方はどうなるのか」ということであったのだが、話題はじつに多岐にわたった。アーバンファームをつくるまでにいたった具体的な経緯、ご自身が受けた教育の話やご両親のこと、アメリカの教育観との比較に基づいた今後の教育の話、現在の日本の労働問題やそれを解決するために実行していること、仕事を続ける上での哲学、などなどが、お笑いをまじえ(関西の方であるなあ)、大きな身ぶり手ぶりで、パワーポイントなんぞ一切なしの話術だけで、ドラマティックに楽しげに語られる。笑えるばかりでなく、内容もぎっしり充実している。何をどこから書いていいのかわからないくらいの圧倒的な情報量だったのだが、とりわけ印象的だったことがらを、以下、ランダムにメモ。

★座右の銘は、「迷ったら、やる」。ビル内で稲作をするというプロジェクトも、最初はだれもが「できっこない」と反対した。でも、やろうと思って、「なぜ、できないのか?」を調査した。その分野のエラい先生が、1000ページにわたり、「できない理由」をぎっしり書いた論文を書いてくれた。ところが、あるとき、「農業従事者」の方に「これだけ資金を投資して環境を整えても、ビル内で米が実らないのはなんでかね?」と立ち話で聞いてみたら、3つ、理由を教えてくれた。

  1.雨が降らん (水分の問題じゃない。雨があたった瞬間、空気が稲に入ることが大事なのだ。だから、空気を送り込め)

  2.風が吹かん (嵐や台風も必要だ。一方からじゃなく、あっちからもこっちからも。強風を双方向から交互に毎日、一週間送りこめ)

  3.あんた、関西人で、ケチやろ (ぎっしり苗を埋め込むな。30センチ間隔をとるべきところ、あと15センチほど広げ、せめて40センチほどに、間隔を広げたらいい)

この3つの助言が、突破口になって、実現したという。立派な学者先生の1000ページの論文より、実際の農業従事者の3つの助言。

★丸の内と大手町には、ベランダのあるビルはない。窓も開けられない。でも、ベランダがほしかったし、窓も開けたかった。だから、地道に、ひとつひとつ、交渉を重ねていった。

ベランダに関しては、「ベランダと思わずに、でこぼこの壁やと思うてくれ」ということで、表向きは「でこぼこの壁」ということになっているベランダをつくることに成功。窓に関しても、交渉を重ねに重ね、結果、窓も開いてベランダもある、という思い通りの環境を実現。

当初ムリだと言われた理想が実現したばかりか、ビルを視察した大臣が「補助金を出そう」とまで言ってくれ、東京都からも補助金が出ることになった。

★子供のころ、大きなお花畑の中に入りたい、という夢があった。その夢を実現すべく、現在、ポピーの花畑をつくってその上にガラスを張り、そのガラスの上で音楽会を開くというプロジェクトを計画中。お花畑の中の音楽会、というわけである。多くの人の「子供のころの夢」だからこそ、実現したら多大なPR効果も発揮する。

★ご両親は、南部さんに、価値の多様性を教え込んだ。算数が100点、ピアノがうまい、絵が上手、これらはすべて同じ価値がある、と。南部さんは絵を描くのが好きだった。お母さまは、南部さんの絵を、10円で買ってくれた。算数で100点をとるお兄様の絵は買わないのに。「勉強で負けても、絵で勝つことができるんや」。この経験が、大きくなって、勇気に変わった。

★高校時代、数学の点数があまりにもヒドイので恥ずかしがっていたら、お父様が一喝。「試験の点数が悪いのは、恥ではない。人に迷惑をかけたときが、恥なんや」

★経営者とは、お金を儲ける人。創業者とは、お金を使う人。(経営者は多いが、創業者は、少ない。)

こうしたい、こうすべき、と思ったら、他人を批判したりせずにまずは自分で実行する。そんな姿勢が南部さんの道を切り開いてきたということがわかるエピソードは、ほかにもたくさん紹介されたのだが、なかでも印象的だったのが、若い人たちの雇用問題に関し、鳩山首相に手紙(というか大時代的な筆字の巻き物!)を書き送ったというお話。

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「人は国家なり」とか「大志鳳翔」ということばが太字になっている。鳩山さんがすぐに会ってくれたというオチにも感動する。ほかにも経済界の重鎮50人ほどにこのような手紙を送ったという。「もらった方は、果たし状かと思ってどきっとする」って、そりゃあこの迫力にはびっくりする(笑)。

実際、パソナは、就職できなかった大学生2200人ほどを一時雇用した。研修をおこない、他社への就職を支援する。背景には、若者の履歴書に空白を作らせない、という南部さんの熱い思いがある。うち、400人ぐらい就職先が決まったそうである。

メンバーから、質問が出る。「『迷ったら、やる』といっても、誰もやらないようなことをやろうとするとき、失敗がコワいということはないですか?」、と。それに対し、「答えはこの本の中にある!」とおみやげに本をもらったので(笑)、帰途、読んでみた(竹中平蔵・南部靖之・共編『これから「働き方」はどうなるのか』PHP)。以下、要約して抜粋。

・まずは思い込み。自分はできる、必ず成功すると信じ続ける。それが決意に、夢に、志に、変わる。

・そして、心構え。自分の夢や志を周囲に表明する。すると必要な情報が入ってくるようになる。

・最後に、出会い。縁を大切にすることで、道が開け、夢が現実のものとなっていく。

自ら発信⇒周囲に人や情報が集まる⇒縁が運に変わる⇒夢が実現。

強く思い込み、発信し続け、縁を大切にし、運をつかむ。心の底から信じていれば、コワくない、と。その過程には並みならぬ粘り強さや常識破りの楽観も必要、という生きた模範例を見せていただき、エネルギーと情熱のおすそ分けをいただいた。感謝!

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2010年5月11日 (火)

「第四次産業」としての農業

第118回次世代産業ナビゲーターズフォーラムに参加@大手町パソナグループ本部。

パソナ本社の「アーバンファーム」を視察したのち、ファームの採れたて野菜を使ったサラダをいただき、社長の南部靖之氏の講演(「これから働き方はどうなるのか」)を聴くというプログラム。

パソナ本社に一歩足を踏み入れただけで、そこは別世界。一面の稲が迎えてくれる。

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室温は28度に保たれ、5万ルクスの光が照射され、そよ風も吹いて、水も循環している。ビルの中に三期作(!)ができる環境が整えられているのだ。側面には背の高いロシアひまわり。

「お稲様」を育てる装置にひととおり驚いた後、なんのために都心のビル内で稲作??という疑問が当然わきおこるのだが、話を伺ううちに、「働く人の健康」「第四次産業としての農業」「自然との共存」をテーマにする会社の、象徴のような存在でもあると感じる。

1階から8階までのフロアのいたるところに、植物が育てられている。フロア一面のマーガレットもあれば、

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廊下にはパプリカ、天井にはゴーヤ、引き出しの中にまでスプラウト。ディズニーランドの「隠れミッキー」のように、「こんなところにまで!」と驚くような場所に植物がある。

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社員の一人一人が交替で水遣りをするそうだ。仕事とは関係のない作業をみんなでやることで、コミュニケーションも活発化する。

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オフィスの片隅にトマトがなっている。トマトの成長を日々、眺めていると、「自分もがんばろう」という気になれるそうである。

自然との共生、ということばから連想しがちだったのは、大きな自然が最初にあって、そこに人間が入り込んで自然のシステムを壊すことなく生活していく・・・・・というようなイメージであったのだが、ここではそれがまったく逆になっていることがわかる。人間が仕事をする場所に、自然をもちこむ。人間が仕事をしながら、快適さを失わずにトマトや稲や花を育てていく、という姿勢が追求されている。

そのためには最先端のIT技術も駆使されねばならない。農業が「第四次産業」と位置付けられている理由にも納得。

「アーバンファーム」で育てられた野菜は、社内のカフェテリアなどでも提供される。とれたての野菜をいただいたが、やさしい歯触り。

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「地産地消」ならぬ、「自産自消」。移動途中での野菜のビタミンの損失も最小限に抑えられる。

「アーバンファーム」の壮観をひとめみようと、各国から毎日のように視察団がお見えになるそうである。こちらから出向かなくても、人がどんどんやってくる。営業マンを一万人雇うほどの価値がある、とは南部社長のことば。プロジェクトにかかる費用が「戦略費用」に分類される、という広報担当者の説明を聞いて、なるほど、と。

最初はだれもが「ムリだ。」と言ったというこのプロジェクトを実現させてしまった南部氏は、やはりとてつもないエネルギーと情熱の持ち主であった。その講演の概要は明日のブログで。

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2010年3月17日 (水)

「本当に<腹が減った>という思いをしたことはあるか」

先週、11日(木)に宮内淑子さん主催の「21世紀ナヴィゲーターズ・コミッティー」に参加したときのメモ。このコミッティーはなんと17年目になるという。私はほんの数回参加させていただいた程度だが、さまざまなフィールドの方々が、それぞれの立場から日本の未来をよくするための提言やディスカッションをおこない、その成果をそれぞれのフィールドへともちかえって次へとつないでいく、とても刺激的なコラボレーションである。

今回のテーマは「未来への投資」、参加ナヴィゲーターは、登山家で医師の今井通子さん、目黒雅叙園社長の梶明彦さん、CGアーティストの河口洋一郎さん、筑波大大学院教授の北川高嗣さん、東大大学院教授の黒田玲子さん、シーエーシー社長の島田俊夫さん、帝人会長の長島徹さん、東大大学院教授の廣瀬通孝さん、デザイナーの山本寛斎さん、文部科学省・宇宙開発委員会委員長の池上徹彦さん、そして兵庫県の井戸敏三知事である。

幅広い視野から最新の情報や興味深い考え方のシャワーを浴び、しなやかで強いエネルギーのおすそ分けをいただいた。面白いお話の数々すべてを書ききろうとするときりがないので、とりわけ、心に残ったことばを記しておきます(一言一句厳密に正確というわけではなく、こういうことをお話になった・・・という、あくまで私の心の中に書きとめられたメモである)。

○最先端CGを使って、故郷である種子島の生物からインスピレーションを得た白日夢のようなアートを作りだしている河口洋一郎さん。「モノづくりの限界に挑戦したい。一点ものでいいんだ。その一点の密度を、できるだけ複雑に高めていくことで、限界に挑みたい。あとは勝手にコピーしてもらえればいいんだ」

ココ・シャネルの、コピー商品に対する態度を連想した。シャネルの服はコピーされまくりで、にせシャネルがあとをたたなかったのだが、彼女は平然としていた。精緻をきわめたオリジナルは、コピーされればされるほど、その価値を高めるのだ、という絶対の自信に支えられた発想だった。あとに続く人が「河口風」をまねしても、限界をきわめたオリジナルには到底、及ばない。逆に模倣されることでオリジナルの価値がいっそう高まる。模倣されることは、本物であれば、警戒するに及ばないのだと実感。「本物である」ことがいちばん、難しいんだけど(笑)。

○デザイナーとしてばかりかプロデューサーとしてもエネルギッシュに活躍する山本寛斎さん。「これまでの成功ルールがまったく適用できない時代がくるだろう」。

「日本人はとてもすばらしい資質をもっているのに、<奇>と<異>を嫌い、グループの中で安心するというのが、問題」。

「ほんとうに<腹が減った>という思いをしたことはあるか。そんな経験をした人はわかると思うが、今の不況なんて、たいしたことないんだよ。本当に腹が減ったら、外へ出ていって勝負するしかない。日本の力を世界に認めさせたパイオニア的なデザイナーたちは、みんな手弁当で世界へ出て行て、成功を勝ち取ってきた。今のデザイナーたちは政府の援助を得ていながら、外へ出ていこうというマインドがない。安心できる集団のなかで認められればいい、と思っているのではないか。まずはそこから改めなくては」

「デザイナー同士で互いにコピーはできる。でもユニクロの服はコピーできない。1000円のジーンズなんて、どうしたってまねできない」

寛斎さんの名刺の裏には、赤地に○(日の丸の逆パターン)のスタイリッシュな絵柄を背景に、「上を向こう、日本。」と書いてある。周囲を元気にする波動を感じる、とてもパワフルな方である。

○黒田玲子さん。「今の日本人は傷つかないように、傷つかないように・・・ということばかり気にしている。誰かが何かささいなことを言った、というだけでバッシングする、という空気があるからなのだが、これは異様。世界にはもっと生きるか死ぬかのレベルでハングリーに、本気で闘っている人たちのほうが大勢いて、これからはそういう人たちと一緒にやっていかなくてはならない。グローバルな時代における日本の立ち位置をしっかりわきまえた、時代意識をもつ人を、育てていかなくてはならない」

○今井通子さん。「奇人変人がいないと、未来はない。ほんとうは、日本人にはとても能力がある。若い人は、勝つことのできるコンテンツを送り出す能力をもっている。なのに、<よしましょうよ>と思う。トラブルが起きるのがいやだから、と上や周囲が予防的に抑えてしまう。成功した日本人は、<目立たないようにすること>が成功の秘訣という。目立っちゃいけない、と相手の顔色ばかりうかがうようなマインドは、アジアには受けるかもしれないが、これからの世界で勝負するにはそれを克服するようなリーダーシップの養成も必要」

ほかにも、宝物のようなことばをたくさんうかがったのだが、すべて書ききれなくてすみません。多くの方が、日本人は能力が高く、世界でリーダーシップをとれるコンテンツを送り出す力はあるのに、グローバルに出ていくためのマインドのところで互いに足を引っ張り合っているようなところがある、と指摘していたのが印象的だった。

メディアに携わる人も、ささいなことでの有名人バッシングに精を出したり、「日本はもうダメだ、たいへんな時代がくる」とネガティブなことばかり書いている場合ではないのではないか。外へ出て頑張ろうとしている日本人をもっとほめて、励まして、全体の士気をひっぱりあげるほどのムードを、もっと本気で作ろうとしてもよいのではないかと思う。「ほんとうに<腹が減った>という思い」を、(他国に比べて)まだ多くの人がしていない、今のうちに。

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2009年12月 3日 (木)

「人生は、息をのんだ瞬間の数で計られる」

次世代産業ナビゲーターズのメンバーのひとり、服部崇さんから『APECの素顔』(幻冬舎ルネッサンス)をお送りいただき、さっそく読む。服部さんは経済産業省の、いわゆる「官僚」さんなのだが、巷の官僚のイメージ(実像を知らないでいうのもなんだが)をこころよく裏切る、さわやか系好青年である(世間の年齢基準では中年かもしれないが)。大学の同じ学部の後輩でもある。

この本は、服部さんがシンガポールにあるAPEC(アジア太平洋経済協力)事務所に勤務していた、2005年から2008年までの3年間の個人的な記録である。

公的文書ではない。かといって、個人的な思いの垂れ流しでもない。APECの活動が、「公人」であり時に「一個人」でもある服部さんの視点から、具体的に描かれる。公的文書的な硬さはやや残るのものの、APECの活動記録の合間合間に、個人としての熱い思いや考えやつぶやきが、ちらりちらりとはさまれる。

個の出し方が控えめである分、「APECっていう組織は、具体的にどのような活動をしているのか?」ということを知りたい一般読者にとっては、いやみなく読み進めることができるAPEC入門書ともなろう。政治・経済に疎い私でも、APECの活動に親しみを感じることができ、「アジア太平洋地域」と一口にいっても圧倒的な多様性があることを思い知らされた。ただ、一物書きとしては、どうせ個人の記録として書くなら、もっと遠慮なく「官僚の胸の内」をセキララに書いてもらってもよかったのに、と(笑)。

知らなかったことがずいぶんあった。以下、とくに勉強になったことをメモ。

・APECでは、参加国・地域を、「エコノミー」と呼ぶ。「国」じゃなくて、「エコノミー」!

・APEC事務局員もチャリティをする。事務局員が、それぞれがもちよった品をガレージセールで販売してお金を集め、それをベトナムの孤児院に寄付したというエピソードにはちょっとじ~んときた。

・ペルーのカソリック教会のマリア像の形状についての話。マリア像はドレスのスカートを大きく左右に広げて、二等辺三角形の形になっていて、さらにマリアの頭上に後光が差しているかのようにつくられているそうだ。これは、「かつてアンデスの山々を崇拝し太陽を拝んだインディオたち被征服民に、カソリック教会のマリア像を礼拝させるために編み出されたもの」であるらしい。

・熱帯のシンガポールでもマラソン大会がある! 気温28度、湿度85度だ。走るか?同僚のアドバイス、として書かれていた三箇条が、ウケた。「1.最初からとばさないで、ゆっくり走ること 2.途中で走るのをやめないこと 3.美女の後を追うようにすること」。

「美女かどうかは後ろからはわからないではないか」という服部さんのぼやきがおかしい。

・オーストラリアのケアンズのナイトマーケットで見かけたステッカーに書いてあったことば、として引用されていたフレーズ。『人生は息をした数ではなく、息をのんだ瞬間の数で計られる(Life is not measured by the number of breath you take, but the moments that take your breath away)」。

この本は服部さんにとっては、APECという大きな組織における波乱万丈の仕事を続ける中での、「息をのんだ瞬間」の記録、という意味合いもあるのかもしれない。

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2009年11月10日 (火)

あらゆる側面が、コミュニケーションである

第113回次世代産業ナビゲーターズフォーラム@目黒雅叙園。

前半は、目黒雅叙園の名物「百段階段」と、その場を舞台に繰り広げられる、「華道家 カリヤザキショウゴの世界」特別展の鑑賞(←カリヤザキが変換できず、失礼御寛恕)。江戸バロックと呼ぶべきか、和製ベルサイユ宮殿と呼ぶべきか、夢を見ているような、この世のものならぬ妖しくて大胆華麗な世界を堪能する。「百段階段」が、厳密にいえば99段であることもはじめて知った。謙虚な気持ちで、あえて一段少なくしているのだという。なんて日本人的。

その後、日本コカ・コーラ株式会社 取締役会長の魚谷雅彦さんによる講演「コカ・コーラにおけるブランド価値創造のマーケティング」。

ブランド価値において9年連続世界第一位を保っているグローバル企業の、日本法人におけるトップだけあって、プレゼンテーションがすばらしくうまい。関西アクセントをちょっとまじえて(同志社卒)、笑いをきちんととりながら、伝えたいことはきっちり伝えて聴衆の心をつかむ。ほんとうに楽しい時間だった。赤いネクタイ&ポケットチーフと白いシャツ、という「コカ・コーラ・カラー」のファッションもとても似合っていらして、全身から「ザ・コカ・コーラ」のオーラを放つ魚谷会長のプレゼンスそのものにも感動をおぼえる。(ちなみにブランド価値第2位はIBM、第3位はマイクロソフトだそうである)

おもしろくためになるエピソードの連続で、メモも20ページにわたってぎっしり書いたのだが。すべて書ききれないので、とりわけ、心に残ったエッセンスだけをここに記す。

●ブランド価値は、イントリンシック(基本的)なものとエクストリンシック(外部依存的)なものから成る。後者はイメージ、満足、気持ち、共感にかかわる。こっちが時代とともに変化していくことが大切。

●ブランド価値を創出していくために、Everything Communicatesという考え方にのっとった戦略がある。経営者、社員、売り場、広報、ネーミング、メディア、あらゆる側面が、ブランドとして統一された思いを顧客に対してクリアに伝達するために活かされるべき。

●ブランドとは、アイデンティティ+企業から消費者へのコミットメント⇒消費者のブランド体験。その積み重ねが価値をつくる。

●マーケティング一番手の法則。世界で一番高い山、世界で初めて大西洋を横断した人の名前、は誰もが知っているけれど、二番目はどんなにすばらしくても記憶されない。

●Think Local, Act Local.  競合相手を蹴落とし、競合相手に何が何でも勝つ、というゴーマンな考え方には限界と落とし穴が必ず待っている。それよりも、謙虚になって、いかに現地の人々との共存、共栄していくかを考えたほうが、利益もブランド価値も上がる。

●常に一番手でいられる秘訣は、「ハツカネズミ」。走り続け、過去の成功にあぐらをかかず、とにかく常に変革のサイクルをまわし続けること。

●「あと味」はきわめて日本的な概念である。aftertasteととりあえず訳しているが、こういう発想は英語にはなく、日本の食文化の繊細さをつたえる言葉。

いろいろなものや人の「ブランド価値」を考えるうえでも、とても参考になる考え方が多かった。聴き終えての質問タイムに、「サンタクロースの衣装を赤白にしちゃったのは、コカ・コーラさんということになっているのですが、いったい具体的にどうやって赤白にしたんですか?」と聞いてみたかったが、遠慮。(う~ん、でも聞きたかった・・・)。

たまたま隣に座られた方が、「ミケタ億」(←初めて耳にする言葉であった)という言葉をさらりと語ってイヤミのない40代前半のすてきなIT社長さんで、なんと渋くキモノをお召しであった。スーツを着ないときは、「ジーンズか、キモノか」だという。男のキモノ。ひとつ持っているだけで、場に与えるインパクトも強く、おしゃれで賢い選択だなあ、と感心。30代~40代の男のキモノ、もっと普及してもいいと思う。

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2009年6月 9日 (火)

顧客の言うことを、聞かない!

次世代産業ナビゲーターズ・フォーラムに参加。今回はメンバーズプレゼンテーションとしてベタープレイス・ジャパン(株)代表取締役の藤井清孝さんの「正解のない時代の処方箋」というお話と、財務省財務事務次官の杉本和行さんの「日本の未来は?」という講演でした。

どちらも、私にはよくわからない専門用語も多々あったものの、全体として、次の時代の日本のことを考えるための、より大きなフレームを与えてくれる刺激的なお話でした。たぶん、完全な理解はとうていし得ていないとは思うのですが、今の段階の私に響いてきたことば、印象に残ったこと、役立てたいことなどを、個人的な備忘録としてランダムにメモしておきます。

★藤井清孝さんのお話

・日本産業の強みに、「オペレーショナル・エクセレンス重視」がある。オペレーショナル・エクセレンスとは、あたりまえのことをあたりまえにきちんとできる、ということ。この点は日本が世界の中でダントツに強い。自己規律的な国民性も強み。

・弱みとしては、企業の事業に対するフォーカスが弱いこと。大企業がニッチに参入してしまい、なにやらいろんなところでやみくもな過当競争が起きていて、みんながみんななにかの事業に参入しているけどフォーカスはしない、という型が蔓延している。人材市場が硬直化していることも、弱み。

・日本産業の再生の処方箋としては、事業フォーカスされたグローバルナンバー1の企業作りを目指さねばならないだろう。過当競争をなくす業界構造の再編成も必要。また、愚直なものづくりだけではこれからは不十分であり、アジアにおける「ものづくりの雄」になる鍵として、「日本のクオリティ+中国のコスト+韓国のスピード」のいいところどりが求められる。現場の強みを収益に反映させる戦略も、必要。

・顧客から見たら「自分だけに対する特別なカスタムサービス」と見えるが、実はそれは裏から見たら汎用化されたシステムに基づくもの、というような見せ方ができるものがあれば応用範囲は広い。たとえば、フォーシーズンズ・ホテルはフロントで3回、顧客の名前を呼んで話しかける。「ミスター○○」と。客から見れば「自分だけに対するサービス」、でもサービス提供者にしてみれば汎用化されたシステム。

・イノベーション力を強化するには、顧客の言うことを聞かない製品開発が必要だ! ある水着メーカートップは「選手に嫌がられてでも新しい発想の水着を開発する姿勢が必要だった」と語っているし、ルイ・ヴィトンの製品開発哲学には、「お客様をあっと言わせ、ワクワクさせる製品を作るには、お客の言うことを聞いてはいけない」というのがある。CS(顧客満足)なんて言ってアンケートなんかとっているばかりでは、ほんとうに客に感動を与えるすごい製品をつくることなんてできないのだ。

・グローバルに通用するためには、コンセプトをプラットフォーム化することが必要。たとえば、世界で売れる「ザガット」や「ミシュラン」は、誰がどういう基準で採点しているのか、コンセプトが明快。だが、日本だけで人気のある「大人の隠れ家」「東京いい店うまい店」といったガイド本は、「日本村のかわら版」として人気が高いが、誰がどういう基準で載せているのかわからず、トータルでみたときに何を目指そうとしているのかわからないため、グローバルにいくことは難しい。 「格が上」とみなされるためには、コンセプトをどこでも通用するようにプラットフォーム化することが必要である。

・業界の狭い枠を超えた、ちがう絵を描こう。LPレコードがCDになるときに、音響機器業界はその周辺をフォローすることだけに躍起になっていて、コンピュータで音楽をダウンロードするという絵までは描くことができなかった。結局、大きな違う絵を描いていたアップルに、いいところをもっていかれてしまった。業際的にものごとを組み合わせて「トータルに大きく見ると、違う図」を描くことが大切。

・・・・イチもの書きにも通用する汎用性の高いお話でした。よし。これからは読者の注文を、聞かないことにしよう(笑)。たしかに、お客様の想像のレベルをドカンと超えるくらいのものを提供するんだという心構えじゃないと、驚きや感動なんて与えられないのである。

★財務省 財務事務次官 杉本和行さんの講演。

とにかく私にとっては「財務省の財務事務次官」っていうだけで、雲の上の人だった。いったいどういう人なんだろう!?という人間的興味が最優先。

おだやかでやさしげな口調と風貌ながら、めちゃくちゃ頭がきれてそつがなくいやみなく手ぬかりなし、といった頼もしい印象でした。「うわっ、日本の財政をこんなあたまのよい方にお任せしてるって、たのもしー!尊敬っ!」と感激(ミーハーです、はい)。近年の国際金融状況・世界経済をめぐるフェーズの変化と、それに対して日本政府がとってきた財政政策を、こまかなグラフや数字を駆使して詳しく紹介してくださいました。細部の動向の話にはさっぱりついていけなかったものの、この2,3か月で上向きに持ち直している、ということはわかった(・・・)。

最後に、メンバーからの質問に答えるときに、ちらっとヒューマンなお話を披露していただいたことが印象に残りました。

日本では、「叱られるばかり」。これがよい結果をもたらすはずはない、という話。たとえば官僚はフレッシュマン時代に、「何のためにこの仕事を?」と聞かれたとき、「公の利益のために仕事をしたい」と答える。そういうよき希望を持った人が大半である。

それが途中で方向がゆがんでしまうことがある。たてわりの組織の力でやっていかなくてはいけない中、政治家に叱られ、マスコミにたたかれ、としているうちに委縮してしまうことがある。委縮すれば視野が狭くなり、庭先しか見なくなる。それが結果として、国民の利益にならない成果につながってしまうことにもなりかねない。

日本にはほめるカルチュアがないのが問題。ねたみそねみひがみやっかみ・・・・の七味トウガラシばかりで、仕事をやろうとしている人の足をひっぱっても、なんのいいこともない。正当に批判すべきことがあればもちろん批判すべきだが、ほめるべきときにほめて、激励していくことが、結果として日本全体にいい結果を及ぼすことになる。

この話は、最近の匿名中傷などのこともあって、すごく響いた。人はけなされると、たとえそれが不当なもので、無視が妥当であると頭で理解しても、まったくモチベーションを失うのである。雲の上の人に見える官僚だって、私たちと同じ、デリケートな心をもつ人間だ。日本社会に根深くはびこる「七味トウガラシ」カルチュア、日本人がほんとうに自分の利益を考えるなら、まずはこれを撲滅しないと、と心底思う。真剣に努力している人は、ほめよう。そうすることで、のびやかに能力を発揮してもらえれば、よい結果がめぐりめぐってくるはずである。官僚のみならず、公のためを思ってがんばっている人をけなすばかりでは、彼らのすぐれた能力を委縮させ、結果として国益をそこなうことにもなりかねない。

梅田望夫さんが「日本のウェブに失望」というような発言をなさっていたが。中傷や罵詈雑言ばかりがあふれていて、ほんとうのトップの人が萎縮して敬遠し、ウェブの良い点を生かしきれていない、というのはたしかに日本にとって残念なことに感じる。他人に七味トウガラシをまぶして悦に入っている匿名の人は、結局、トータルに見れば自分の利益も損ねていることになる。管理者も、感情の垂れ流しで人を不条理に傷つけるような書き込みに対しては、もっと高い意識をもって責任をもつべきではないのか。それが公益に、ひいては、自分自身の利益につながる。

国の財政に関する大きな話を聞いたのに、聴き手の専門性が低いために、なんだかすごく卑近なレベルの話しか残らなかったみたいだが。でも、財務事務次官という立場の人の責任感や仕事、人柄に少しでも触れることができたのは、ものすごく貴重で、幸運な体験でした。

「100年に一度」とされる経済危機の時代に財務次官になったことを、「運が悪かった」とは考えず、「運がよかった」(試練がたくさん与えられるため?)と考えるようにしているという杉本次官の仕事に対する姿勢には、高貴な品位を感じました。たいへんな時期ですが、日本の明るい未来のために、どうかがんばってください!

個の小さな問題を離れて、大きな枠、違う視点でものごとを考える具体的なヒントのシャワーを浴びるという、お宝のような時間を過ごすことができたことに感謝。

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2009年5月12日 (火)

新・日本流

「次世代産業ナビゲーターズフォーラム」に参加。本日のメインの講演は、武田薬品工業株式会社 代表取締役社長の長谷川閑史さんのお話でした。

「新・日本流経営」と題された長谷川社長のお話からは、これからの日本が国際社会で存在感を示していくために、どのようなことが必要かといったことが(経済音痴の私にも)包括的にわかり、たいへん刺激を受けました。

国内の過当競争のなかで消耗戦になるばかりでは明るい未来がなく、グローバルな競争力をつけていくことが必要な時代であり、そのために企業はどうすればよいのか? といった主に経営者サイドの視点の話だったのですが、教育の現場とか、雑誌や本をつくる場でも応用可能なことばの数々がとりわけ印象に残りました。備忘録がてら、ランダムにメモしておきます。

☆成功している企業の経営者には共通点がある。すなわち、企業理念の伝導師としての役割をはたしていること。人材育成にコミットメントしていること。そしてよいコミュニケーター(内外に対して)の顔をもっていること。

☆今後も強化していくべき日本企業の美点(いくつも挙げられましたが、そのなかのひとつ)に、広義の「ものづくり力」がある。機械をわが子のように愛をこめて作るのは、日本人の特筆すべき長所である。(他国の労働者に比べ)遅刻や欠勤が少なく、定年を過ぎても働きたいという勤勉な国民性は、世界のなかでもユニーク。なにかを取り入れたら創意工夫をこらして差別化する能力は、日本人が並はずれて優れている(例:デパ地下のバリエーションの豊さはおそらく世界一)。

☆グローバルなリーダーシップをとれる人材育成は、急務である。「自然に育っていく」などとのんびりしたことは言っていられない。意識的に育てなければ。グロ―バルなリーダーに必要なのは、全体俯瞰能力+根本要因・本質把握力+公平公正・オープンにものごとをすすめられる力+ゴールへのステップを論理的・シンプルに説明でき、共通ゴールへと全体を導く能力。

☆そのために必要なスキルセットが、英語コミュニケーション能力+多様性・不確実性を受容し、それに対応できるスキル+異文化理解力+論理的思考力と分析力に基づいた交渉力。

☆グローバル企業になっても、無国籍企業になってはいけない! 国籍は日本。これを失っては企業力が損なわれる。

☆M&Aで世界の企業を買収していくことがあるとしても、経営者の品性や倫理感は絶対に必要。「うちがやらなければ次の誰かがやるだけ」といってひどいことを繰り返したアメリカはいきすぎてモラルハザードを起こしたが、最後は経営者の品格が問われる。現地企業の伝統や文化、自然と共生しながら強さを生かしていくのが真のグローバルビジネスのあり方であって、そうじゃないと生き残れないだろう。

☆グローバルにいかない「引きこもり企業」にもいいところがある(これはメンバーのひとり、今井通子先生のご指摘)。限られた地域で引きこもって作っているものに、アラブの王様しか買えないものすごい高額がつけられることもある。日本の織物とか、ヨーロッパの特殊な工芸品など。こういう産業はかえってオープンになってしまうと、低迷する。

ほかにも考えさせられたヒントがどっさり。実りの多い時間でした。

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