「ぬるい。」
朝日新聞のオピニオン欄、刺激的なインタビューが続いている。17日付の村上隆、「世界でトップをとる」も強烈だった。
「『クール・ジャパンなんて外国では誰も言っていません。うそ、流言です。日本人が自尊心を満たすために勝手にでっちあげているだけで、広告会社の公的資金の受け皿としてのキャッチコピーに過ぎない」
ファッションも含むコンテンツ産業の奨励に対しても厳しい。
「広告会社など一部の人間の金儲けになるだけ。アーティストには還元されませんし、税金の無駄遣いです。(中略)クリエーターの報酬もきわめて低いうえ、作業を海外に下請けに出すから、人材も育たない。地盤沈下まっただ中です」
必要なのは、著作権の整備である、という力説。
「映像化権などさまざまな権利も海外に取得されてしまい、日本側の収益につながらない。そんな状態でクールジャパンなどと浮かれていていいのか。もっとアーティストに利益が還元されるように、著作権をはじめとする法制度の整備が急務です。それなのに、日本政府はビジネスの現状も知らず、国際的な著作権の動向に関してはアメリカに主導権をとられてしまい、右往左往して何も有効な手が打てない」
ジャーナリズムにも問題アリ、と。
「ジャーナリズムは印象批評に偏っており、マーケットを蔑視している」
教育にはもっと問題アリ。
「美術大学は無根拠な自由ばかりを尊重して、学生に何らの方向性も示さない。芸術には鍛錬や修業が必要なのに、その指導もできない。(中略)あいさつさえまともにできず、独りよがりの稚拙な作品しかつくれない学生ばかりが世に送り出される。先鋭的なものは何も生まれてこない。だから、世界に出ていって通用する芸術家が日本にはほとんどいないんです」
日本がトップをとれない理由は。
「国内でそこそこ楽してやっていけるから、安心しちゃってる。地方自治体が街おこしにアートを利用するから、アーティストが結構楽にやっていけるので、海外に目が向かないし、無根拠にもの作りを推奨しすぎる。ぬるい」
ずばずばと真実をつく物言いに、圧倒されたり快哉を叫んだりしている場合ではないのだが。がつんと叱られた気分。マーケットは蔑視しているつもりはなくても、それをビジネスの観点から分析・研究して戦略を立てるという点が、自分の立場には、決定的に欠けていることをあらためて認識する。
エネルギッシュな言葉の数々、重たく受け止めた。
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