「尊重されたければ、自分で闘え」
アルマーニに関するレクチャーをするために、再々見したDVD。 10年ほど前、ジョルジオ・アルマーニ65歳のときに一年間かけて撮影されたドキュメンタリー。
ディオールは52歳で心臓発作で亡くなるし、アレクサンダー・マックイーンは40歳で自殺するし、ガリアーノは酒と薬で問題起こすし、マーク・ジェイコブズにしても「リハブ」経験あり。ストレスが半端ではなく大きいであろうファッション業界において、76歳になってもまだ現役バリバリでアルマーニ・ミラノホテル(上から見ると、Aの形!)まで建てたばかりという意気盛んなアルマーニの秘密をあらためて考える。
細部にいたるまで手抜かりなしの完璧主義。節制と禁欲。人生のすべては仕事のために。そのために愛情が制限される。孤独という犠牲を払わねばならない。でもそれも覚悟の上でひきうける。「公私混同」どころか、人生のすべての瞬間が「公」。こういう姿勢を貫いて、ブランド買収戦争に巻き込まれることなく、アルマーニ帝国を守り抜いた。
「アンドロジナス」に対する考え方も、表面的ではないところがアルマーニらしい。
Androgynous today means that men and women have the same attitude towards what they want to wear, ... It's not unisex dressing, but more the idea that you can see a jacket on a woman in this show, which you can just as easily see on a man.”
「アンドロジナスとは、着るものに対する態度を男女が同じくするようになった、ということ。ユニセックスに見えるということではない」
◇レクチャー終了後の帰途に観ていた「マッドメン」(4)のドン・ドレイパーのセリフ。「人に自分を知ってもらおうとして、都合よく理解されるだけだ」。
結局、自分の理解(想像)できる範囲でしか、人や現象を本当に理解できない(だから、わからないことを必死でわかろうとするために、「文学」や「芸術」が必要になる)。私のアルマーニ解釈にしても、自分が理解・想像できる範囲内でしかわかってないのかもしれない。あなたのことも。
もうひとつ。ステレオライプな社内セクハラに憤慨する女性部下ペギーに対し、ドン・ドレイパーが言い放ったセリフ。「尊重されたければ、自分で闘え」。で、セクハラ証拠の下世話なマンガを丸めてくずかごへ。シブい。
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