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2011年7月

2011年7月31日 (日)

今年二度目の、英国のロイヤル婚

英国で今年二度目のロイヤル婚。エリザベス女王の初孫(アン王女とマーク・フィリップス陸軍大尉の娘)、ザラ・フィリップス(30)が、イングランドのラグビー界のスター、マイク・ティンドール(32)とエディンバラにて結婚式を挙げた。7月30日。

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アイヴォリーのウェディングドレスは、Stewart Parvin によるデザイン、ブーケはロンドンの花屋さんPaul Thomas 作、そして靴はジミー・チュウ、と発表された。

ザラ・フィリップスは、拙著でも何度かとりあげたが、ファッションの領域では「おきて破り」をたびたびするお転婆(古語だが)ぶりで有名。というか、ファッションコンシャスな方で、最初に自分自身のスタイリストをつけたロイヤルメンバーである(by Telegraph)。ミニスカートにニーハイ・ブーツが「ザラ・スタイル」。

馬術の分野ではかなり名高い。2006年にヨーロッパ総合馬術選手権で個人優勝。その年の12月にはBBC最優秀スポーツ選手賞。お母さんのアン王女も1976年のモントリオール五輪に総合馬術で出場している。

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ザラは、馬術の分野での知名度+ファッションセンスを生かし、Musto Outdoor Clothing で乗馬ファッションのデザインもやっている。このファッションレンジは「ZP176」という生で、2010年の7月に公式にローンチされた。

2012年のロンドン五輪に選抜されるべく、二頭の若馬を訓練中とか。

あまり日本では注目されてない英ロイヤルメンバーだが、個人的にはけっこう好きな方なので、紹介してみました。

ご結婚おめでとうございます。

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2011年7月30日 (土)

会話とは、言葉による相互愛撫である

英「インデペンデント」30日付に、興味深い記事。The New York Timesの記者としてパリに赴任したElaine Sciolinoが、アングロサクソン系の視点から「誘惑の国フランス」を観察・分析している。Liberte, egalite, flirtation: How I learnt to play France's national sport of seduction.

『誘惑:フランス人はどのように人生のゲームを楽しむのか』という彼女の著書からの抜粋記事である。ちょうど今、来週の「ブランメル倶楽部×DANSEN」のイベントに備えて「フランスらしさとは何か?」を研究中だったので、自分のメモを兼ねて、以下、とくに興味をひかれた部分の概要を抜粋。まわりくどいところは超訳で。

・エレーンがフランスで学んだことは、誘惑の重要性。いたるところにflirtationessが浸透している。ただし、英語でseduce(誘惑)というと、否定的で、性的なことがらに限られるが、フランスではもっと広い意味で使われる。イギリス人が、charm, engage, entertain と表現するようなところでも、フランス人はseduceを使う。フランスでいう誘惑は、必ずしもボディコンタクトを伴わない。偉大な誘惑者は、言葉で愛撫する才能をもち、視線で相手をひきつける術を知り、完璧なロジックで同盟関係を結ぶ。誘惑のターゲットは、男であれ女であれ、魔力のシャワーあるいは磁石のような引力を経験することになる。

・誘惑のゲームを行うためには、いくつかの武器を習得しておく必要がある。

one 視線:視線がからみあえば、電気的なエネルギーが生まれ、それによって「絆は結ばれた」とたちまちに理解できる。ほのかにセクシーな視線はまた、相手の武装を解除させることにも有効である。2009年4月、カーラ・ブルーニは、自分の名を呼ぶ大勢のフォトグラファーの前に立たねばならなかった。彼女は、その中の一人に自分をゆだねることにした。5分間、他の男は無視し、その男だけを見ていた。その男は仰天し、完全に骨抜きにされた。このフランス的視線は、大きく口をあけるアメリカンスタイルの笑いを伴ってはならない。謎めいて奥深い瞳を使って届けなければならない。決してウィンクはするな。フランスの女はウィンクをしない。ウィンクをすれば顔を歪めることになるのだから。

two 言葉:フランス人にとって会話というのは、情報の授受というよりもむしろ、言葉による相互愛撫である。言葉が性的誘惑の道具として使われるとき、曖昧で控えめな表現がもっとも効果的である。正面から切り出すのは、野蛮で卑俗とみなされがち。女性は甲高い声を出さないようにすること、そして男性は低いトーンを磨くこと。

three ソーシャルキス:ほとんどのソーシャルキスは、儀礼的に、互いの頬にキスするもの。だが、これが甘美であると同時に困ったものでもありうる。どの程度「濃い」ものにするかはその人次第。

four 3C、すなわち、climate, calembour, contact:climateとはコンテクストというか、雰囲気。なんでもない状況であっても、互いにキスしたくなるような、マジカルな雰囲気に変えうる。calembourは、ジョーク。男は女を笑わせなくてはならない。ただし、さりげなく。contactは道路を渡るときにさりげなく腕に触れるなどのフィジカルコンタクト。

大事なことは、フランス人は、以上のような前後のプロセスそのものを重んじ、スリリングで価値あるものとして楽しんでいる、ということ。

・このフランス式誘惑術が、政治の世界においても不可欠な影響を与えているという指摘が面白かった。対するアングロサクソン系は、政治にセクシュアルな要素が入り込んでくることは危険で、タブー。

・誘惑テクニック: フランスとイギリスの比較。

wineフランス:注意深く選んだ相手にだけ、「贈り物」として微笑みが与えられる。

wineイギリス:相手かまわず微笑む。とりわけ、酔っぱらったとき。

boutiqueフランス:メイクアップは、目元か口元かどちらかのみ。決して両方強調することはない。

boutiqueイギリス:メイクアップは顔中ぬかりなく。加えてフェイクの日焼けまで。

restaurantフランス:食事は、誘惑の儀式の一部である。

restaurantイギリス:ディナーはソファで、テレビつき。

rougeフランス:香りはごくかすかに、謎めきながらもこっちへおいでというサインとしてまとわれる。

rougeイギリス:香水は力をふるいすぎる傾向にある。

penフランス:秘密厳守は絶対である。メディアにおいても。

penイギリス:キス・アンド・テル。(情事はバラす)

eyeフランス:電気的なエネルギーをもつ視線が交わされる。

eyeイギリス:あからさまな色目か、まったく目を合わせないかのどちらか。

kissmarkフランス:社会階級により、2回から4回のあいさつのキス。

kissmarkイギリス:キスは1回。その後はぎこちなくうろつくのみ。

記事概要以上。

英・米・仏各国のファッション、メイク、香水、ワイン、食、結婚制度、男のスーツ、メディア、政治、すべて以上の視点を考慮する必要があること、あらためて強く認識する。

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「ブランドXは、もしYが実現すれば、世界がよりよくなると信じる」

次のブランドのあり方を考えるうえで、はっとさせられたアイディア。Ogilvy (マーケティングコンサルタント会社)が提唱する、The big ideaL。

もはや商品・製品それじたいのイノベーションというのが、かなり困難になってきた時代。The big ideaLというのは、人々の生活態度のレベル、カルチュアレベルでイノベーションを起こそうという考え方であるようだ。

そのようなイノベーションを起こすために、文化的な摩擦から生じる緊張と、ブランドの本質を衝突させ、そこから生じるエネルギーを社会的に理想とされるパワーに変えてしまおう、と。

具体的には、たとえば、'Brand X believes the world would be a better place if Y happened.'  という「構文」のXにブランド名を入れる。Yに、この構文が成り立つようなコンセプトを入れてみる(というか、それを考えるのだ)。「Yということが実現すれば、世界はよりよい場所になる」と信じられるような、コンセプトY。そしてそのコンセプトは、ブランドの本質から生まれるものでなくてはならない。紹介されるシャングリ・ラ・ホテルの例がとてもわかりやすい。ちょっとした興奮を覚える。

http://www.youtube.com/watch?v=ff5UpfQnrns&feature=player_embedded

この映像の存在をFBで教えてくれたのは、高校時代の畏友にして、現在、一橋大学でマーケティングを教えている山下裕子さんでした。ありがとう!

最近のSNSを中心とする「Like(いいね)」カルチュア、「Friends」「Share」ファクター。社会貢献意識がさらに進化した形の、「世の中をよくするために」志向。そんなこんなのうねりから、漠然と上記のような流れを感じていたので、マーケティングの言葉で提案されると妙にきちんと納得する。

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2011年7月27日 (水)

ノックオフ問題、あいもかわらず

デザインの著作権侵害、収まる気配ナシの「事件」とりあえず2つ。まずはAllen SchwartsがデザインするABSが、ロイヤル・ウェディング・コレクションと称し、ケンブリッジ公爵夫人の例のドレスのノックオフ(まねっこ)を、1100ドルで販売開始。妹ピッパのドレスのノックオフまで堂々と出した。7月13日水曜のこと。

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「まんま」ですね。これを受けて(であろう)、同じ日の夜、Virginia Republicanである Bob Goodlatteが、デザイナーの著作権を守る法律制定を、と再び動議を出す。

プロエンザ・スクーラーのデザイナー、Jack McCollough とLazaro Hernandezも、著作権保護を求めてワシントンに嘆願。プロエンザ・スクーラーの場合、3月ぐらいから騒ぎになっていた。「PS1」というバッグのノックオフ品が、自分たちがデザインにかかわったこともあるTargetからまで出ていた。写真は、上がノックオフ、下が本物のPS1。

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引き続き、経過と背景を観察したい問題。たぶんこれは氷山のほんの一角で、表面化しないものはそれこそ山のようにあるはず。

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2011年7月25日 (月)

Bad things happen, but you can still live.

遅まきながら、「スーパー8」。予備知識ほぼゼロ状態で映画館で鑑賞。

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久しぶりにホスピタリティにあふれた映画を見た感じ。「ET」やら「未知との遭遇」やら「スタンドバイミー」やらのいいとこどりしたような印象で、映画が元気良かった時代のことを思い出して、やや懐かしい気持ちになった。

子どもたちが一本の映画を撮っている間に起きる、さまざまなできごと。エンドロールで、ばらばらだった各撮影シーンが一本にまとまり、ああ、こういう映画を撮っていたのかとじわじわと二重に感動がこみあげてくる。ちゃちな場面がいっそう笑えて泣ける。映画小僧への愛にあふれたサービス精神たっぷりのおまけ、やはり映画好きの観客に訴えるものだなあ、と思う。こんなふうにセンチメンタルでウェットなのも、たまにはいい。

主人公の、異星人へのセリフ。"Bad things happen, but you can still live."(悲しいことが起きても、なんとか生きていけるよ。) 最愛の母を亡くした主人公だからこそ説得力を持つセリフ。キッズたちを助ける「親」が、どちらも片親、しかも「完璧ではない父親」であるあたり、今という時代の反映なのか。

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2011年7月23日 (土)

「銀座の老舗の伝統」は、かくして次世代へ

銀座の老舗、高橋洋服店社長にして4代目店主の高橋純さん著『「黒」は日本の常識、世界の非常識』(小学館101新書)の出版お祝い会。

物議をかもした例の帯(オバマ大統領就任式のタキシード姿の間違い探しクイズ)の、数々のびっくり後日談の披露もあり、笑いに満ち溢れた楽しい時間を過ごさせていただきました。

ふたりのご子息のサプライズご挨拶に感激。ご長男は公認会計士となり、両親への感謝をウィットに富みかつ率直なことばで捧げ、ローマでテイラー修業中のご次男の方は、家業を継ぐたしかな決意をビデオレターで(彼は5代目店主となるであろう)。江戸っ子&慶応ボーイの4代目高橋社長は、こういうベタな(?)表現にテレまくりながらも、やはり嬉しそうで、こちらまでじ~んとしてくる。いやみなく、どこから見ても素敵なファミリーである。

それもこれも、高橋社長ご自身が、かなりユニークでチャーミングな人格者であることも大きい。アウトドアスポーツもなさるので日焼けしており、一見、マフィアか?!と見まがうほどのインパクトで、人を楽しませるホスピタリティに満ちているのだけれど、信念は決してぶれず、語る言葉は正確で一貫しており、ばりばりのコンサバティヴ。よき日本の、というか、古きよき銀座の伝統の王道を守り、次代へと引き渡す努力をおこたらない大和魂の持ち主である。

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ピンクのストライプのサマースーツ(これが上下ですよ)が、ゲストの笑いをとりつつも、しっくり似合っていらっしゃるのです。プライベートなお祝いの席を盛り上げる遊び心満載(写真は本人のご了解を得て掲載)。

本書に掲載されている大量のスーツのイラストを描き上げた福満研一さんにも、会場ではじめてお会いする。彼はバイク事故にあって九死に一生を得ており、いまも頭蓋骨の一部がない。さわるとふにゃっとしている(外から見ても、わからない)。でも、日常生活にも仕事にもまったく支障はないそうである。人間の体は、意外と頑丈にできているようだ。

そんな生命力の強い福満さんにいただいた、福満・画の手拭い。使うのがもったいないようなポップなシブかわいらしさである。

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2011年7月22日 (金)

まばゆいグローバルモードから、アトリエの職人技の時代へ?

ガリアーノが去ったあとのクリスチャン・ディオール。とくに新デザイナーを立てるわけではなく、この前のパリ・コレクションでは、ショウの最後に、アトリエの責任者として(クリエイティブディレクターとしてではなく)、ほぼ無名のビル・ゲイッテンと助手のスザンナ・ヴェネガスが登場してあいさつをした。

メディアでのディオール評価は芳しくなかった。なんといってもまだガリアーノの幻影が漂っているのだ。あの刺激と比べてしまえば、地味なアトリエデザイナーたちの技術だけで組み立てたような作品が満足を与えるはずがなかった。

で、ディオール社長のシドニー・トレダノや、ディオールを傘下におさめるLVMHグループのベルナール・アルノーはいったいどうするつもりなのだろう?というのは誰もが思うことなのだが。"Newsweek" 7月11日付にロヴィン・ギヴァンの記事あり。長い記事だが、以下、心に残った要点の概要のみ記しておきます。

ガリアーノの「メルトダウン」(とギヴァンは表現)は、アルノーに方向転換を考えさせたようだ。ディオールという華やかなメゾンを実際に支えているのは、地道にアトリエで働いている人たち。彼らの多くはパリではないところに住み、地に足をつけて質素な生活をしているつつましい人たち。このアトリエのチームとしての力に脚光を当てよう、とアルノーは考えたようだ。

グローバルで、幻惑的な、ステイタスを背負った帝国を、何か別のものへ方向転換させるタイミングが来ている、とアルノー。キーワードは、intimate, Old World, artful. 今こそその時期だ、と。

ロックスターのようなデザイナーは、現れては去っていく。だが、よい作品は永遠に残る、とアルノー。

記事以上。

なるほど、アルノーほどの人が、「時期デザイナーが決まらない」という理由だけで中途半端なコレクションをするわけがないと思っていたが、やはり、この人なりの、時代の先を見据えた考え方があったわけである。

まばゆいスターデザイナーの時代から、職人の匠に支えられた、昔ながらの親密なアトリエの時代へ。アルノーの「次の一手」は、はたして次の時代への先駆けとなるのか、それとも、空回りに終わるのか。Let's see.

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2011年7月21日 (木)

「源四郎」「兼二」たちの大和魂

「サライ」連載記事取材のため、「三陽山長」銀座店にうかがった昨日。この暑いのに革靴の話?と思われる方も多いだろうが、雑誌の発売が9月。となれば、秋の装いはまず足元から、というわけで。

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ヨーロッパ製高級靴にもまったく引けをとらないメイド・イン・ジャパンの美しい靴。大和魂は、ネーミングや細部の工夫など、いたるところにこめられている。高度な職人技をもつ日本の靴職人を、私たちはもっと守っていくべき、と再認識。

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ブランド創始者の長嶋正樹さんはじめ、スタッフの小田さん、猿渡さん、中西さんに、たっぷり2時間お話をうかがうことができた。書きたいことは山のようにあるが、詳しくは本誌にて。発見の多い楽しい取材になった。ありがとうございました!

やはり気になったのがスタッフの足元。全員、アンクル見せであった。カジュアルウエアではあるが。来シーズンのメンズトレンドを概観しても、足元はスーツスタイル、ジャケットスタイル、カジュアルスタイルにかかわらず、足首見せ。この傾向はやはり進んでいくんだろうか。

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2011年7月18日 (月)

フェミマンとなでしこの「性差超越美」

◇中国の「端麗服飾美容」誌に秋冬トレンド「ボーイッシュ」に関するエッセイを寄稿。多くのデザイナー、あるいはブランドが、メンズ風ルックをうちだしている。

詳しくは本誌にて、なのだが、気になったことはやはり、リア・Tやアンドレイ・ペジックら「フェミマン」の存在である。男の子として生まれながら、女よりもフェミニンな美しさを備えているモデルたちの活躍がめざましい。彼ら「男」が、「女のモデル」として(?)男の服を着てランウェイを歩く。そこに生まれる妖しい感覚が好感をもって受け入れられている。「恋に落ちたシェイクスピア」で、女のグゥイネス・パルトロウが「男」として「女」を演じたみたいな、ややこしさというか遊び心。性差をくすぐったり、超越したりするところから生まれる、幻惑的な美しさが、トレンドとしてくる気配。

◇なでしこジャパン、世界一おめでとうございます。朝型なので、リアルタイムでテレビ観戦ができた。「チーム・デスティニー」という表現をしていた海外レポーターもいたが、なにか運命的な、神意を感じさせる大きな力が、彼女たちを導いているように感じた。どんな演出家もかなわない、ドラマチックで美しい勝ち方だった。「男っぽさ」マックスのプレーやポーズのかっこよさ。PK戦前の笑顔(こういうときに、笑う!)。勝ちを決めた瞬間の笑顔。表彰式での笑顔。性差など超越したところから生まれる、さわやかな美しさに、魅了されました。

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2011年7月17日 (日)

「狂気とは、違う結果を求めて同じことを繰り返すこと」

◇日本経済新聞の別冊「The Nikkei Magazine」7月号発行されました。「メーカーズシャツ鎌倉」さんの白いシャツをフィーチャーした記事「白いシャツの、記憶。」のなかで、エッセイを書いています。タイトルは「最低でも無難、最高で無敵」。機会がありましたら、ご笑覧ください。

◇北日本新聞別冊「まんまる」で、新連載「ファッション歳時記」が始まりました。こちらも、機会がありましたら、ご笑覧いただければ幸いです。

◇DVDで「ウォールストリート(Wall Street: Money Never Sleeps)」。映画的にはいまひとつ、エモーションには働きかけてこなかったが、語られる事実や、描かれるウォールストリートの現場は、興味深かった。

シブいセリフ。「マッドネス(狂気)とは、違う結果を求めて同じことを繰り返すこと」。「金の問題ではない。人間相手のゲームなんだ( It's not about the money. It's about the game between people)」。経済は、人間の心の動きにひっぱられて動いていく、ということがこれほどよくわかった映画もなかった。人の心を操れたり読めたりする人こそが、経済畑でも成功するんだろうなあということをぼんやりと感じる。

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2011年7月16日 (土)

「根っこさえあれば、何度でも復活できる」

7月13日(水)に行われた、シャネル(株)代表取締役社長、リシャール・コラス氏の特別講演。明治大学商学部主催のファッション・ビジネス特別講演シリーズ、前期の最終回である。

リシャール・コラス氏の今回の講演のテーマは、LUXEのプレイヤー(コラス氏はactorという言葉を使っていらしたが)。ブランドのトップによって戦略が変わるということを、具体的なラグジュアリーブランドの例を引き合いに出しながら、お話いただいた。個人的にはツボにどまんなかというか、大好きすぎるほどの話だったので、わくわくしながら拝聴。「事実」やデータの裏にある、さまざまな人間くさいお話は、やはり「プレイヤー」のひとりでなくては語れない内容。ジョークを交えてのとても楽しい90分で、時にげらげら笑いながら、あっという間に時間がきてしまった。以下、とりわけ印象に残ったお話の概要を、ランダムにメモ。

・Boom, Consolidation, Expand, Crisis ときて、ラグジュアリービジネスの今はReboundの時期。

・リーマンショック後のラグジュアリービジネスの動向。アメリカは回復が早く、すでに「健康的」な数値を見せている、ということに軽く衝撃を受ける。2010年は日本以外は成長していて、なかでも最大の伸び率を見せているのが中国であり、なんと30%増。日本だけがマイナス10%という「非健康的」な伸び率。要因は2つ。まずは、日本はすでにマチュア・マーケットになってしまっており、おじいさん、おばあさんの世代は富のシンボルとしてラグジュアリー製品を購入したが、豊かになった日本の若い世代はもはやラグジュアリー製品を買う必要を感じていない。その2。観光客を呼べなくなった。これまでは中国人が来るときだけ売れたということがあったが(日本での売り上げの20%が中国人観光客によるもの)、これがなくなった。ただし、観光客を呼ぶためのインフラをどんどん作れば、第2のブームがくる可能性はある。

・ラグジュアリー市場は全世界で20兆円。かなり巨大なマーケットである(スイス、マレーシア、エジプトの国全体より大)。ちなみに日本は436.7兆円。

・キープレイヤーであるLVMH、PPR、リシュモンなどの、それぞれの歴史と市場規模、店舗数、売上高なども、数値をすべて示して教えていただいた。なかでもトップの考え方がわかるエピソードが印象に残る。たとえばLVMHのベルナール・アルノー。彼はアメリカで不動産業などにも携わっていたのだが、ブランドビジネスの重要性に気づいた。気づかせてくれたのが、NYのタクシーの運転手。「NYのタクシーの運転手は、フランス大統領の名前を知らないのに、クリスチャン・ディオールを知っている」。で、アルノーはクリスチャン・ディオールの買収にも成功している。

・エピソードの続き。リシュモン・グループのカルティエ。70年代にペランが、「マスト・ドウ・カルティエ」(豊かになる人は、これを持たねばならない、としてカルティエ製品を位置づけ)を提案して以来、急激に伸びる。ぺランは、ラグジュアリーのなかにマーケティングを持ち込んだ最初の人。これ以来、ラグジュアリーは大衆的になっていく。ちなみにぺランはただのセールスマンだった。

・グッチの場合。オーナーのパワーによってブランドの元気が左右されている、もっとも顕著な例。

・ラルフ・ローレン。ローレンはWASPではないが、WASPのコードを引っ張って大衆に夢をもたせることで、ファッションブランドを成功させた。日本では西武百貨店と組んでライセンスビジネスもおこなっているが、本家ものも同時進行。ライセンスがあってもイメージダウンせず、ライセンスと本物を共存させ成功させている、唯一の例。

・ブランドのオーナーが変われば戦略も変わり、元気になったりそうでなくなったりする。上場すれば、3か月ごとに株主の前で報告しなくてはならないので、いやでも短期的戦略をもたざるをえない。短期的戦略をとれば、ブレることが多い。軸がブレると力が落ち、そこをついてニセモノもふえてくる。

・シャネル社は上場していないプライベートカンパニー。非上場のため、売上高なども公開していない。だからこそ、ブレない戦略をとることも可能。

・ブランドにとってのデザイナーとはどのような位置づけなのか? (これは学生の質問に答えての話)  ブランドに雇用されるデザイナーには、ブランドのエスプリ把握とデザイナーのセンス、両方が求められる。デザイナーが交代するのは、往々にして、ブランドのエッセンスをつかみきれていないとき。ブランドのエッセンスのなかに自分のパワーを入れているデザイナーが、成功する。カール・ラガーフェルドはそのよい例。ココ・シャネルの名言のひとつに、Fashion Fades, Only Style Remains. というのがあるが、「スタイル」というのがほかならぬブランドのエッセンス。かといって移り変わる「ファッション」も不可欠。移り変わるファッションと、根っこの部分にあるスタイル、ブランドにはこの両方が必要なのだ。根っこ、すなわち伝統と歴史さえあれば、ブランドは死なず、またいくらでも元気になりうる。ブランドは何度でも復活できるのだ。その点で人間と同じである。

などなど、興味は尽きなかった。ブランドとは、とても人間くさいもので、またブランドの成長過程は人間の成長にもなぞらえることができるものだということまで、教えていただいた。コラス先生、および招聘してくださった商学部に心より感謝します。

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2011年7月13日 (水)

チェルノブイリのスカーフ

12日の次世代産業ナビゲーターズフォーラムには、もう一つ、重要な講演があった。京王プラザホテル内・プラザ30階クリニック副院長で内科医の土井里紗先生による「放射性物質に負けない生き方」。こちらも大きなテーマであり、できれば少しでも多くの人にお届けしたい情報でもある。土井先生は、素人にもわかりやすく、数値や図表をまじえてとても丁寧に解説してくださった。以下、概要をメモ。

・「基準値」などと聞くと、基準以下なら安全なのかと錯覚してしまうが、放射線物質はどんなに低線量でもDNAに損傷を与え、有害な影響を与えうること、リスクはゼロにならないことを、まずは知っておきたい。

・なかでも、放射線物質が細胞に直接ふれる内部被爆は、リスクが1000万倍になる。

・混同してはいけないのは、自然界の放射線と人工放射線。自然界の放射線物質は自然に体内から排出されるが、人工放射線物質は体内で蓄積され、濃縮される

・現在、暫定基準値を定めているICRPは、内部被曝を過少評価している。そもそも、たった一つの細胞の損傷でも危険なのに、ICRPはその点をまったく無視して体内全体に広げてリスクを想定している。ICRPは原子力をサポートする立場にあり、ICRP基準で考えるのは、かなり危険。この基準で無視されている被曝が、実は相当ある。そのうえ、現在、日本で定められている基準の数値は、世界の基準と比較しても、驚くほど高い。(このあたり、すべて豊富なデータをもとに説得力をもって示していただいたが、ここでは数値をパスして概要のみ記します)。つまり、国の発表する暫定基準値は、安全ではない

・国はどうやら経済優先で、汚泥肥料の流通をも許しており、それがすでに全国に広まっている可能性がある。とすれば、日本全土が放射能に汚染されている危険がある。(牛肉でさえ、看過されているのだ……)

・であれば、どうすれば私たちは放射線物質から身を守ることができるのか? まずは答えを言ってしまうと、水素である。

・老化の原因、病気の原因になるのは、活性酸素、ヒドロキシラジカル。活性酸素を増やす元凶として、ストレス、タバコ、過度のアルコールなどが知られているが、ほかならぬ放射線物質も活性酸素を出すのである。放射線物質が体内に70%存在するH2Oに反応して、ヒドロキシラジカルを発生させる

・抗酸化物質としては、ビタミンACE、カルシウム、亜鉛、ポリフェノール、カロテノイド、セサミン、サポニン、Q10などがあるが、強毒性のヒドロキシラジカルを消去できるのは、水素のみ。水素は、ヒドロキシラジカルを選択的に消去する。

NASAも、宇宙飛行士たちの放射線排除に、水素療法を用いている。水素水接種、または水素を吸引する療法である。

・・・・・・というわけで、水素の摂取が放射線物質の危険から身を守る手段の一つであるということを知った。少なくとも、水素を摂取することは、生活習慣病の対策にもなる。

水素水のレンタルサーバーなども出てきている。かなり高価である……。あおったりするつもりはない。でも、知っておくべき重要な情報の一つとして、ぜひみなさんにお届けしたい。各自の行動を決める判断材料の一つとしていただきたい。

講演のあとに、宮内さんが紹介してくださったエピソードが鮮烈に印象に残る。当フォーラムでも講演された山本寛斎さんから直接聞いたお話として。寛斎さんは、福島の事故の後、すぐにチェルノブイリを訪問したそうである。その地で寛斎さんの目にとまったものは、20代の多くの若い女性たちの、首に巻かれたスカーフ。甲状腺の手術の跡を隠すために、女性たちはスカーフを巻いているのである。この事実は大きくは報道されない。なぜなら、それが報道されてしまうと、縁談に支障が出るから。当のチェルノブイリの人たちが、被害の大きさを「知られたくない」と言っているのである。このジレンマに胸がしめつけられる。

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2011年7月12日 (火)

「省エネは回収できる投資である」

宮内淑子さん主催の第130回「次世代産業ナビゲーターズフォーラム」に参加。メインの講演は、小宮山宏さんによる「日本『再創造』-『プラチナ社会』の実現に向けてー」。

小宮山さんは東京大学総長として大学の改革をばりばり推進した方で、現在は三菱総合研究所の理事長。日本の再生に向けて、具体的なデータを豊富に示しながら、くっきりきっぱり、日本が向かうべき方向のビジョンを示してくださった。情報量が圧倒的に多いうえ、内容もかなりハイレベルだったので、私の乏しい理解力が及んでいない部分もあったかと思うが、以下、概要のなかでも、なるほどと思った部分をランダムにメモしておきます。

・日本は2050年までにエネルギー自給率70%をめざすべき。そのために省エネ&創エネが必要だが、まずは省エネ。エネルギー効率を高めることで、かなりの省エネができる。個人が日々の暮らしのなかでできるレベルでいえば、「窓ガラスを二重にする」「冷蔵庫を買い替える」(日本の冷蔵庫のエネルギー使用量はこの20年で5分の1になっている。ただちに買い替えを!)「照明をLEDに変える」「太陽電池を設置する」「ハイブリッド自動車にする」「ヒートポンプ式給湯器エコキュートやエコファーム)を導入する」(給湯をこれでおこなえば、ガスの無駄がなくなる)。これだけでずいぶん省エネに役立つとのこと。最初は投資が必要だが、時間軸のなかでみるとかなりおトクで、投資はすぐに回収できる。実際、小宮山邸は、このような省エネに向けた改革をして、81%のエネルギー削減に成功している。12年で投資が回収できる計算になるという。小宮山さんの名言―「省エネは回収できる投資である」。

・上記のことは建築基準法を変えて「一重ガラスを禁止」にするとか、冷蔵庫などの機器買い替え促進のための消費制度を作るなりして、とにかく積極的に推進していくべき。じゃないと、このままではカタストロフが起きる。総体として2050年にはエネルギー効率が三倍に高まってることが妥当というか理想。

・林業を復活させ、バイオマスエネルギーを活用せよ。

人工物は飽和する。20世紀は「普及型の需要」(車、家、テレビ、新幹線)があり、高度成長も可能であったが、それはいったん普及してしまうと、飽和する。21世紀には、「創造型の需要」を作り出さねばならない。創造型需要、すなわち内需を生み、雇用を創出するような需要である。個人レベルで考えても同じことが言える。すでにモノはすべて所有している。衣食住が足りてしまっている。で、「私はいったい何がほしいんだろう?」という問題が生まれるのが21世紀。ここに産業が生まれるヒントがある。

・幸せな加齢のための五条件。「栄養」「運動」「社会との交流」「柔軟性と好奇心」「ポジティブな考え方」。この5つがそろうと、人間は幸福に歳を重ねていくことができる。

・20世紀には「坂の上の雲」をめざすモデルが有効だった。国が主導し、産業を導入し、GDPを上げることを目指してがんばることができた。だが。21世紀に入ってみると、「雲に入ったら霧だった」!先が見えない。今、目指すべきはプラチナ社会(=エコロジカルで、高齢者が参加し、人が成長し続けていくことができるような社会)である。市民主導で暮らしをよくしようとすれば、新産業が興る。結果、国も強くなっていく。

・市民や地方自治体が、ビジョンを共有したそのうえで、各自の改革を、多少強引でも進めていくべき。国の顔色をうかがうな。

ほかにも有意義なお話をたっぷりうかがったのだが、メモしきれない。より詳しく正確なお話は、小宮山宏さん最新刊『日本「再創造」』を! エネルギー問題、高齢化社会問題、幸福論、地方自治の問題、産業の問題、知識の構造化問題などなど、それぞれの関心に応じて響くところが必ずあると思われる。解決すべき問題が山積する日本だが、ビジョンを共有し、そこに向かって各自がそれぞれの立場で解決策を模索することが義務であり、権利でもある、ということをパワフルに説いていただいた。感謝。

ちょっとした脱線話も面白かったのだが、なかでも、グラフを書くときに横軸と縦軸の単位を変えてみると、グラフの形がまったく変わるという話。車体重量を横軸にとり、燃料消費量を縦軸にとると、きれいな比例直線ができる。「原点を通る直線は美しい」という小宮山さんの決めゼリフ、ほかでも応用可能だなあと納得(笑)。

続きを読む "「省エネは回収できる投資である」"

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2011年7月 9日 (土)

パリのテイラリングについて、公開インタビューをおこないます

イベントのご案内です。パリ最高のテイラー「フランチェスコ・スマルト」で、日本人初のチーフカッターをつとめる鈴木健次郎氏が、夏のしばらくの間、日本に帰っていらっしゃいます。その機会をとらえて、フランスのテイラリングや、パリから見た日本のメンズファッションの風景などを、公開インタビューという形でうかがいます。DANSENこと「男子専科」で編集者をなさっていたファッションディレクターの青柳光則氏と、僭越ながら私も一緒に、インタビュアーをつとめさせていただきます。主催は「神戸ブランメル倶楽部」です。個人的には、鈴木氏のアドベンチャラスな「立志伝」も興味深いと思っており、あわせてご紹介できればと考えています。以下、公式案内です。

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「神戸ブランメル倶楽部」主催 

会員向けイベント 第一回 東京分会 

「神戸ブランメル倶楽部」×「DANSEN•男子専科」

オープンインタビュー「鈴木健次郎とパリのテーラリング」

鈴木健次郎×中野香織×青柳光則

8月6日(土)15:30~18:30

代官山  ヒルサイドテラス ウエスト「サロンウエスト」

http://www.hillsideterrace.com/access/pdf/map.pdf

参加費 3500円

(当日、徴収致しますので釣り銭無き様お願い致します。)

パリ最高のテーラー「フランチェスコ スマルト」で

日本人初のチーフカッターを務める鈴木健次郎氏に聞く

現場の物作りやエピソード。

聞き手はエッセイスト、服飾史家の中野香織さんと

「男子専科」OBで元編集部員、ファッションディレクターの青柳光則氏。

インタビュー後、親睦会を兼ねた簡単なパーティーを行ないます。

当日はワイン、おつまみなど用意して居りますし、

輸入元のキーコーヒー株式会社様のご好意により

イリー社最新式家庭用エスプレッソマシン「FrancisFrancis! X7」を

使用して高品質のイタリアンエスプレッソをお楽しみ頂けます。

「神戸ブランメル倶楽部」の会員向けイベントですので

非会員の方は「神戸ブランメル倶楽部」のWEBページより

会員登録して下さい(無料)。参加人数先着90名様限定。

定員に成り次第、募集打ち切りますのでお早めにお申し込み下さい。

http://www.kobe-bc.jp/

お問い合わせ先

神戸ブランメル倶楽部

(神戸ファッション美術館内)

078-858-0050 百々(もも)まで

http://www.kobe-bc.jp/toiawase/toiawase.html

若しくは

kawai@netlaputa.ne.jp  河合まで  or  Fb名「河合正人」まで

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8月6日 「神戸ブランメル倶楽部」東京分会 二次会

六本木「グリンゴ」

東京都港区六本木7-18-14 小市米ビル BF

蕎麦屋 「六本木 長寿庵」と酒屋の「カクヤス」の間、

Fがお米屋さんのビルの地下です。

03-3746-0995

19:30~21:30

http://r.tabelog.com/tokyo/A1307/A130701/13039828/

鈴木健次郎氏、中野香織さん、青柳光則氏も参加予定

40人集まればお一人3000円で二時間程度の

貸し切り(飲み物と軽いお食事のご用意)も出来ますので奮ってご参加下さい。

こちらのみの参加も可。先着限定40名様。

定員に成り次第、募集打ち切りますのでお早めにお申し込み下さい。

尚、当日は「神宮外苑」の花火大会ですので道路、電車が混み合う恐れが有りますので余裕を持ってお出かけ下さい。

★★追記です★★

女性の方も大歓迎です! 女性はブランメル倶楽部への会員登録はできませんが、上記のイベントのみの参加でも大歓迎します。こちらよりお申し込みください。

http://www.kobe-bc.jp/toiawase/toiawase.html

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打ち水は、アスファルトには逆効果

◇「サライ」8月号発売です。連載「紳士のもの選び」で宮脇賈扇庵の扇子について書いています。機会がありましたら、ご笑覧ください。

今月号の特集は「涼しい夏の知恵」。住まい、衣類、寝具、料理における涼しくなるための実践的な知恵が満載。エアコンなどなかった時代の日本の夏の風物詩の数々が、モダンバージョンで復活していることに気付く。蚊帳に風鈴、籐の枕、打ち水用の手桶、そして、すだれ。

……という懐かしいような新しいような、といった写真をつらつらと眺めながら、やはりここに和装の男性がいてもいいのではないか?という気がしてきた。すでに提唱していらっしゃる方も多いが、仕事着としてアロハがOKになるくらいなら、夏の着物のほうが日本の季節の理にかなってるのでは。武家が夏に着て出仕したという帷子(かたびら)とか。湯上り浴衣にならないための着こなし教室、みたいなものが必要になるかもしれないが。

はっと気づかされたこと。「打ち水はアスファルトにかけても、逆効果」。巻頭の、江戸文化研究家の石川氏と、昭和の暮らし博物館館長の小泉氏の対談で指摘されていた。焼けたアスファルトに水をかけても、すぐに蒸発して、むしろ蒸し暑くなるのだと。打ち水は地面が土でないと意味がないのだそう。炎天下のアスファルトに水まきのこれまでの努力、むしろ蒸し暑さを加速させる原因になっていたかも……(冷や汗)。夕方に、土の部分に水をまく、これが鉄則らしい。

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2011年7月 7日 (木)

男の足元に変化の気配?

男性の靴の流行に変化が起こりつつある、の記事2本。まずは、イギリス。かつてタブーだった「町の中でブラウンシューズをはく」ことが、今はタブーでもなんでもなくなっているというお話。「インデペンデント」6月26日付。Brown shoe sales are soar as men jettison sartorial rules.  By Paul Bignell.

取材による証言(というほどでもないが)がいくつか紹介されている。かいつまんでメモ。

ジョン・ルイスのメンズ靴バイヤーの話。「昨年、ブラウンシューズの売り上げは15%上昇している」。

ハロッズのメンズウエア部門マネージャーの話。「男性のビジネスウエアは、カジュアル化がすすんでくるとともに、スタイルミックスの傾向が強くなってきました。プレッピールックが靴の選択に影響を与えています。退屈なのは嫌われます。ブラウンシューズは目立つので、男性のスタイルのアクセントになります」。

バートン(「AOKI」みたくいろんなところにチェーンストアがあるメンズショップ)は、高級靴店ロークと提携した。目的は、通常は高価な靴を、一般大衆向けに手の届く価格で届けること。バートンによれば、「ここ2シーズンほど、売り上げは確実に上昇している。とりわけ茶のブローグがもっとも人気」

記事によれば、男性が最初にブラウンシューズをはき始めたのは、60年ほど前。ケーリー・グラントやフレッド・アステアがグレーのトラウザーズに合わせてブラウンシューズをはいた頃。だが、1960年代に事情が変わる。ビジネスマンが制服としてシリアスな黒をはく。今では、ブラウン革命の最前線にジュード・ロウやロビー・ウィリアムズがいる。

若い世代は、上の世代や保守的なビジネスマンとの違いを示すために、ブラウンシューズをはく。このトレンドは進んでいて、止まる気配はない。

1879年創業のクロケット・ジョーンズといった伝統的なシューメーカーでも、茶色の靴の売り上げは上昇している。「応用範囲が広くて、使いやすく、快適だからね」とマネージング・ディレクターの話。

さてもう一つの記事は、アメリカ。室内ばき(というか、夜の正装用)であるはずのヴェルヴェット・スリッパーが、外ではかれはじめている、というお話。「ウォール・ストリート・ジャーナル」6月23日付。How Going Outside in Slippers Became Cool.  By Ray A Smith. 動画版もあり。

http://online.wsj.com/article/SB10001424052702304791204576401741575390086.html#articleTabs%3Dvideo 

ヒュー・ヘフナー(「プレイボーイ」の創刊者)風にイブニング・スリッパーをはく。しかもストリートで、ソール厚めにして、クロップトパンツやジーンズやスーツと合わせて。

スタッブズ&ウットンでは、若い世代の需要が高まったためにヴェルヴェット・スリッパーの売り上げが40%上昇した。コレ↓が、Stubbs & Woottonの今どきヴェルヴェット・スリッパー。

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ブルックス・ブラザーズのメンズファッションデザインのディレクターの話。「金糸でBBのモノグラムを刺繍した型を含むヴェルヴェット・スリッパーは、最近、たいへんよく売れている」。

6月初めのNYで、CFDAの授賞式にあらわれたカニエ・ウエストは、ジーンズにあわせてスリッパーを着用。

スリッパーは紐なしではけるという点で、エスパドリーユと似ている。2012年SSのコレクションでは、多くのモデルやゲストがトラウザーズをロールアップし、足首を見せて靴下ナシだった。こういうスタイルには、スリップオンシューズが必要で、その点でもこれがウケているのではないか?と。

以下は中野による勝手なつぶやき。

ヴェルヴェットなので雨が降ったらはけないみたいだし、だれもがヒュー・ヘフナーみたく「スタイル」として貫けるわけじゃないから、一時のファッドだと思うが。それよりも、この形のフットウエアって「スリッパー」というよりもむしろ「ローファー」と総称されるもんだと思い込んでいたので、呼称にやや意外感あり。

茶系靴をあえてはく男たちのメンタリティに、「上の世代との違いを示すために」というのがある、という点は納得。装飾&草食系男子に、上の世代への抵抗すらなくなっていたら、憂うべきことだ。

「足首見せ」がじわじわと広がっているのか? 上の記事にも言及されてるが、ファッションシーンに登場するような男はみんなソックスレスだったりするし、男子大学生もほぼ全員といっていいほど、ロールアップやショートのボトムに足首見せである。大学生がやるぶんにはかわいいけど、あの「エルメス」までスーツに足首見せを提案しているのがちょっと引っかかった。(同WSJの別の記事、ストリートからオフィスまで足首見せがくる、の報。左中ぐらいの男性の写真を拡大クリックして足元に注目)

http://online.wsj.com/article/SB10001424052702304314404576414311300500124.html

クリストフ・ルメールによるエルメス、2011-12秋冬。靴もご丁寧に茶系だし。

こうなると、脛を見せないためにホウズをはこう、なんてコンサバティブな提案が空回りしてしまう気もするんですが……(笑)。

モードはあくまでモードであって、いわゆる一般の男性が着るような仕事服としてのスーツとは無縁のもの、という意見もあるのだが、まったく影響を及ぼさないかといえば、そうとも言えないのではないか。あのエディ・スリマンのスリムスーツの影響が、10年たって量販店のスーツを変えたように、このトレンドだってどう化けるか、誰にも断言できない。

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2011年7月 6日 (水)

顔に「角」を生やす美容の意味は

フェイクビューティーの時代到来、という記事が気になる。「インデペンデント」6月25日付。Bigger, bolder, brighter: The age of fake beauty.  by Alice-Azania Jarvis.

日本でもエクステやらジェルネイルやらはすっかり浸透した感があるが。いかにも人工的に作った外見がビューティートレンドとしてきている、という記事。用語など新鮮だったものをメモ。

<ふつうに大胆>

・ディップ・ダイ:上半分と下半分の髪の色がはっきりと対照的になるように染めるヘアカラー。アレクサ・チャンやドリュー・バリモアもやっている。

・アイラッシュ・エクステンション:つけまつげのことですね。シュウ・ウエムラのピーコックの羽根タイプのものや、パウダー・ラウンジのキラキラちりばめタイプなど。(日本ではまつげエクステもあるが、そこまでの流行はまだロンドンにないのかな?)

・ブラジリアン・ブロウ・ドライ:日本でいう、縮毛矯正のようなもの。髪にケラチンを補充したあと、アイロンを使ってストレートにし、それを1か月ほどもたせる美容のことらしい。

(ニコル・リッチーがこれをやってもらってるところを、ブログで紹介していた。http://www.nicolerichie.com/2009/05/back-for-another-brazilian-blow-dry/  

また、ウィキペディアにはブラジリアン・ヘアストレイトナーという項目で載っていたが、健康に害があるという説が出ていることも紹介されていた)

<やや過激>

・リップ・エンベリッシュメント:一時的にリップにタトウーをほどこす。ゼブラ柄やポルカドット、ジェシーJ風のユニオンジャックなど。

・ヘアピース:即席ビーハイブからフリンジまで。リリー・アレンやデイジー・ロウ、エイミー・ワインハイスらの影響大。

・バイオ・スカルプチャー・ネイル:日本でもやってますね。アクリルの人工爪で長い爪をつくる。

<もはやブキミなレベル>

・フェイシャル・ホーン:顔に「角」を施す。レディ・ガガが今年の2月にチャレンジして話題になっていた。ビューティーというより、もはや「異次元の生き物になる」というレベル。

Gaga

・デンタル・エンベリッシュメント:カニエ・ウエストもダイヤモンドを歯に埋めたのを見せびらかしていたが、「白よりも白い」歯にするための、あれやこれやの美容。シェリル・コールやキャット・ディーリーもその例。

・ヴァジャズル:デリケートな部分に、クリスタルの装飾を施す美容(なのか?) 元祖はThe Only Way I Essex というところ。記事によれば「主流となった」ようなのだが、日本ではさすがに少数派ではないかと。

http://www.vajazzle.me.uk/

以上、ナチュラルな美しさではなく、いかにもフェイクという外見をめざす、最近の美容トレンド。レディガガのフェイシャルホーンにはしばらく言葉なく見入る(……)。

美容の歴史を概観してもしみじみ感じることだが、人はいつだって、「ありのままの自分の姿」に満足できないものであるらしい。

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2011年7月 5日 (火)

「それがほんとうの事実であるかどうかは、さして問題ではない」

ブレンダ・ラルフ・ルイス『ダークヒストリー 図説イギリス王室史』(原書房)読了。久々に血が騒いだ歴史本。ノルマン征服のウィリアム王から、ナチのコスプレで世間を騒がせたヘンリー王子まで、イギリス王室の「恥部」(と前書きにある)の歴史が、ふんだんなビジュアル資料とともに、描かれる。

スキャンダルに陰謀に裏切りに残虐行為。ほんと、よくもまあこれだけ延々と「ありえない」ような話が出てくるのか、とあらためて感動する。でも、イギリス史好きなのは、ほかならぬロイヤルスキャンダルが面白すぎるからなのよね。人間味がありすぎて、ドラマチックすぎて、感情を深いところでゆさぶり、社会や人間を考えるためのインスピレーションに満ちている。ヘンリー8世と6人の妻の物語なんて何度語っても飽きないし(聞かされる人には申し訳ないが)、エリザベス1世とメアリーの確執、それに続く後継者の満ちた物語なんて、読むたびにしびれる。自分が処刑した女の息子が、ほかならぬ自分の後継者となる……だなんて皮肉すぎ。エドワード8世とウォリスの話も語り飽きないし、ダイアナ妃の話もあちこちで書いているが、そのたびに違う側面が見えてくる気がする。なまじのフィクションなど追いつかない面白さだと思う。

巻末で、監修者の樺山紘一氏が、「イギリス人は、なぜ王室スキャンダル嗜好にはしるのだろうか」というテーマで解説している。

「そこには残虐や不品行、暴虐から悪行にいたる、あらゆる人間的な営みへの、強烈な関心がかいまみられる。つまり、そのもととなる事実をこえて、推理や筋立てといった、いわば第二次的な言説のほうが、とめどもなく増幅してゆき、ほとんど全民族的な話題と噂となって、国土のうちをかけめぐる。これこそ、イギリスという国の独特の事件風土である」

そのあたり、よくわかる。私が好きなのもこっちだ。事件そのものというより、事件を巡る解釈というか、言説のほうが面白くなっていくのだ。だから事実そのものの厳密な正確さは、それほど重視していないようなところがある。

コナン・ドイルとかアガサ・クリスティが出てくる土壌もここにある、と樺山氏。

「イギリス人にとって、残虐と悪徳が主人公となる話立ては、最高の娯楽であり、また現実に対する独自の解釈である」

そうそうそう、残虐嗜好というよりもむしろ、「残虐に対する解釈」のほうを楽しむ、というイメージ。

「かれらにとって、王室をとりまく暗黒の霧すらも、それがほんとうの事実であるかどうかは、さして問題ではない。かぎりなく常識を離れた事件性にこそ、自分たちをとりまく社会を解説するための最良の鍵がかくされている」

樺山氏の解説をここまで読んでよくわかった。自分のイギリス史に対する関心と、モードに対する関心はほとんど同じ性質だということが。事実がどうであるかということよりも、それをめぐる解釈や言説が限りなく面白いのである。日常離れしているように見える現象のなかに、自分をとりまく社会を解説するためのカギを見つける。たぶん、それが好きで、続いている。そういう自分の方向性にも気づかされた本。

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2011年7月 2日 (土)

「読者は三日すれば忘れる」

◇ブランド製品のフェイクの技術がますます精巧になっている、の記事。ウォールストリートジャーナル6月23日付。

フェイクの価格が高くなっていることでいっそう見分けがつきにくくなっているのだという。動画による解説もあり。英語ですが。

http://online.wsj.com/article/SB10001424052702304791204576401534146929212.html#articleTabs%3Dvideo

◇FBで何人かの人がとりあげていた「しんぶん赤旗」の「これが世論対策マニュアル」、7月2日付。

原子力発電を推進するために、日本原子力文化振興財団がまとめたマニュアルで、メディアを懐柔し、国民に原発容認意識を刷り込むための指南書。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-07-02/2011070203_01_1.html

まったく国民をバカにしている内容だけど、「洗脳マニュアル」として読むと興味深い。原発ばかりではなく、あらゆるPRにおいて使われている方法であろうなあと思いながら読む。

とりわけ「ほほう」と感心したことをメモ。

・「繰り返し繰り返し広報が必要である。新聞記事も、読者は三日すれば忘れる。繰り返し書くことによって、刷り込み効果が出る」

・「不美人でも長所を褒め続ければ、美人になる」

・「文科系の人は数字を見るとむやみに有難がる」

・「停電は困るが、原子力はいやだ、という虫のいいことをいっているのが、大衆であることを忘れないように」

・「ドラマの中に、抵抗の少ない形で原子力を織り込んでいく」

・「原子力に好意的な文化人を常に抱えていて、何かの時にコメンテーターとしてマスコミに推薦できるようにしておく」

・「マスコミ関係者は原子力の情報に疎い。まじめで硬い情報をどんどん送りつけるとよい」

事故は広報のよい機会、という発想にもうなる。

ほかの多くのプロパガンダも、実はこんなふうにして脳内に浸透してきていないか?

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