100%循環型の未来は可能か?
13日(火)に参加した、第120回次世代産業ナビゲーターズフォーラム@霞が関エキスパートクラブのメモ。情報量がたっぷりと多く、充実したフォーラムで、すべてを記録しておこうとするといつまでたっても書き終わらないので、とりわけ心に残ったことを備忘録まで。
この日の講演は、帝人株式会社取締役会長の長島徹さん。テーマは「帝人Gのものごとづくり」で、講演後、メンバー全員でテイジン未来スタジオの視察をおこない、お話の内容を裏付ける最先端のモノたちを見る。
恥ずかしながら、帝人と聞いて、ポリエステル繊維のイメージしか思い浮かばなかったのだが、いま、生活のあらゆる分野に帝人の最先端テクノロジーを用いた製品があることを知って、驚いた。
☆まずは、「グリーンケミストリー」研究開発の成果としての、炭素繊維。これを使った電気自動車やエアバスが開発されている。
炭素繊維「テナックス」は鉄の五分の一の軽さ。展示されていた電気自動車はこれをコア部分に使用した車だが、437キログラムという超軽量である。
この炭素繊維を用いた「レクサスLFA」が、近いうちに(?)、3750万円で発売される予定という。
鉄やアルミなどの金属に代わり、エコロジカルな繊維が車や飛行機のボディになる、ということじたいに、ちょっと興奮をおぼえる。
☆情報やエレクトロニクスの最先端の領域でも、帝人の製品が。3D画面を見るためのメガネ、パスモやスイカの中に入っている高機能フィルム、タッチパネルに使われている透明導電性フィルムも。

上の写真は、黒い中央部分にパソコンをおくだけでコードレスでインターネットにつながる、というテーブル。会議がものすごくスマートになりそうだ。
☆ヘルスケア製品。睡眠時無呼吸症候群を治療するための機器をはじめとする、在宅医療のための製品や治療薬を展開している。
2008年以降の不況で、受けた打撃がもっとも少なかったのがこの領域、と聞いて、なるほど、と。
☆そして数多くの受賞歴を誇る、エコサークルのシステム。衣料やペットボトルを、本来のポリエステル素材に戻し、また別の衣類へとリサイクルする。
常に素材のポリエステルに戻しては、そこから新しく作り直す、という永久循環型のシステムである。これだとゴミを出さず、二酸化炭素の排出量は77%削減され、エネルギー使用量は84%減少するという。
リサイクルされた繊維でつくられたエコスーツも展示されていた。しわになりにくいので、出張などには便利かも。
『モードとエロスと資本』のなかでふれた、「ロイヤルチエ」のエコファーに用いられていたのが、ほかならぬこの帝人のリサイクル繊維であった、と知ってちょっとうれしくなる。
資源が枯渇し、ゴミが増える一方の地球環境のなかで、このシステムを生かしたものづくりは、未来に希望を感じさせる「よき循環」の一例とも見える。
テクノロジーがここまで進化していたことを目の当たりにして、驚きと感動をおぼえる。これをいかに生かして、グローバル化と国内雇用を推し進められるような産業構造を作り上げていくか。産業界と学界と官公庁が一体となったビジネス・イノベーションが今後の課題、と長島さんは結ぶ。各界の垣根を取り払い、その間を、人も思いもスムーズに循環させることも大切かな、と思う。
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