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2010年6月23日 (水)

独裁制は、遠い国の昔の話ではない

ドイツ映画「ザ・ウェイブ」をDVDで。デニス・ガンゼル監督。

ある高校で「独裁制」をテーマとする実験的な授業が1週間、おこなわれる。ヤル気のまったくなかった生徒たちが、一週間で恐怖の変貌を遂げるまで・・・。

先生には「様」をつける。許可なく発言しない。仲間は助け合う。足ぶみをそろえる。おそろいの白シャツとジーンズを着る。ロゴマークをいたるところにつける。独特の敬礼であいさつしあう。

その一つ一つの過程を経るごとに、生徒たちの脳内に快感ホルモンが生まれているのが、表情から、うかがわれる。

頭のいいやつもわるいやつもない。階級もない。個性なんて意味をなさない社会の幸福。みな平等に所属できるところがある安心感。団結して行動することの、快さ。そしてそれらすべての半面にひそむ、底知れぬ怖さ。

最後は教師にもコントロール不可となり、とりかえしのない事態を招く。

実話に基づいた心理実験映画というジャンルでは、かの「エス」を思い出した。あれもドイツ映画だった。あの凍りつくような怖さにはやや及ばなかったものの、「服が集団心理に及ぼす強力な効果」の演出の鮮やかさという点では、この映画も負けてない。

ぜんぜんジャンルが違うけど、ふと「マシニスト」も思い出した。クリスチャン・ベイルが不眠症で激やせしていく映画。あっと驚く結末の。これもドイツ表現主義的な冷たい怖さがあった。


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