虎の爪、サメの歯だってお宝に
◇三越伊勢丹百貨店の紳士服売り場担当のスタッフの方々に、紳士服の歴史とパーツに関するストーリーのレクチャーをする。実際に売り場に立っている方はモチベーションが違う。もっと現場の方にも役立ててもらえるような研究をしないと、とかえって刺激を受けた。ありがとうございました。
◇BUNKAMURAにて開催中の「愛のヴィクトリアン・ジュエリー」展に立ち寄る。精巧でイマジネーション豊かなアンティークジュエリーの数々は見ごたえあり。ありとあらゆる種類の原材料、技法を通して美を追求した人々の、情熱とエネルギーをおすそわけしていただいた気分である。ケシ粒ほどのシードパールをぎっしりと寄せ集めて作るジュエリー、細かな石で作るモザイクジュエリーには、作る過程を想像して、感動を通り越して気が遠くなりそうだった。
虎の爪のブローチ、サメの歯のネックレスとイヤリング、昆虫そのままの形を生かしたイヤリング、モルフォ蝶の遊色を生かしたブローチなどは、グロテスクすれすれながら、思わず見入ってしまう迫力がある。
こんなものまでジュエリーにするのか、という素材の極みが、髪の毛である。故人の髪の毛を編んだり貼りつけたりしてジュエリーにするのだ。以前からヘアジュエリーの存在は知っていて、不気味だなあと思っていたのだが、本物をあらためて目にして、深く心を動かされた。気味が悪いとかそういう次元を通り越して、人の想像力はこんなものを作るところまで思い及んでしまうのだ、という感動。故人の片目だけをデザインしたアイジュエリーにも驚き。
ウエディングケーキが3段になっている「意味」もはじめて知った。
平凡社から出ているカタログ本も、詳しい年表ばかりか技法や用語の解説つきで、とてもよくできている愛蔵版である。
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