あらゆる側面が、コミュニケーションである
第113回次世代産業ナビゲーターズフォーラム@目黒雅叙園。
前半は、目黒雅叙園の名物「百段階段」と、その場を舞台に繰り広げられる、「華道家 カリヤザキショウゴの世界」特別展の鑑賞(←カリヤザキが変換できず、失礼御寛恕)。江戸バロックと呼ぶべきか、和製ベルサイユ宮殿と呼ぶべきか、夢を見ているような、この世のものならぬ妖しくて大胆華麗な世界を堪能する。「百段階段」が、厳密にいえば99段であることもはじめて知った。謙虚な気持ちで、あえて一段少なくしているのだという。なんて日本人的。
その後、日本コカ・コーラ株式会社 取締役会長の魚谷雅彦さんによる講演「コカ・コーラにおけるブランド価値創造のマーケティング」。
ブランド価値において9年連続世界第一位を保っているグローバル企業の、日本法人におけるトップだけあって、プレゼンテーションがすばらしくうまい。関西アクセントをちょっとまじえて(同志社卒)、笑いをきちんととりながら、伝えたいことはきっちり伝えて聴衆の心をつかむ。ほんとうに楽しい時間だった。赤いネクタイ&ポケットチーフと白いシャツ、という「コカ・コーラ・カラー」のファッションもとても似合っていらして、全身から「ザ・コカ・コーラ」のオーラを放つ魚谷会長のプレゼンスそのものにも感動をおぼえる。(ちなみにブランド価値第2位はIBM、第3位はマイクロソフトだそうである)
おもしろくためになるエピソードの連続で、メモも20ページにわたってぎっしり書いたのだが。すべて書ききれないので、とりわけ、心に残ったエッセンスだけをここに記す。
●ブランド価値は、イントリンシック(基本的)なものとエクストリンシック(外部依存的)なものから成る。後者はイメージ、満足、気持ち、共感にかかわる。こっちが時代とともに変化していくことが大切。
●ブランド価値を創出していくために、Everything Communicatesという考え方にのっとった戦略がある。経営者、社員、売り場、広報、ネーミング、メディア、あらゆる側面が、ブランドとして統一された思いを顧客に対してクリアに伝達するために活かされるべき。
●ブランドとは、アイデンティティ+企業から消費者へのコミットメント⇒消費者のブランド体験。その積み重ねが価値をつくる。
●マーケティング一番手の法則。世界で一番高い山、世界で初めて大西洋を横断した人の名前、は誰もが知っているけれど、二番目はどんなにすばらしくても記憶されない。
●Think Local, Act Local. 競合相手を蹴落とし、競合相手に何が何でも勝つ、というゴーマンな考え方には限界と落とし穴が必ず待っている。それよりも、謙虚になって、いかに現地の人々との共存、共栄していくかを考えたほうが、利益もブランド価値も上がる。
●常に一番手でいられる秘訣は、「ハツカネズミ」。走り続け、過去の成功にあぐらをかかず、とにかく常に変革のサイクルをまわし続けること。
●「あと味」はきわめて日本的な概念である。aftertasteととりあえず訳しているが、こういう発想は英語にはなく、日本の食文化の繊細さをつたえる言葉。
いろいろなものや人の「ブランド価値」を考えるうえでも、とても参考になる考え方が多かった。聴き終えての質問タイムに、「サンタクロースの衣装を赤白にしちゃったのは、コカ・コーラさんということになっているのですが、いったい具体的にどうやって赤白にしたんですか?」と聞いてみたかったが、遠慮。(う~ん、でも聞きたかった・・・)。
たまたま隣に座られた方が、「ミケタ億」(←初めて耳にする言葉であった)という言葉をさらりと語ってイヤミのない40代前半のすてきなIT社長さんで、なんと渋くキモノをお召しであった。スーツを着ないときは、「ジーンズか、キモノか」だという。男のキモノ。ひとつ持っているだけで、場に与えるインパクトも強く、おしゃれで賢い選択だなあ、と感心。30代~40代の男のキモノ、もっと普及してもいいと思う。
「次世代文化・次世代日本」カテゴリの記事
- チェルノブイリのスカーフ(2011.07.13)
- 「省エネは回収できる投資である」(2011.07.12)
- ゆで蛙になるか、黄金期のヒーローになるか(2010.12.16)
- 日本は大きな国? 小さな国?(2010.09.14)
- 100%循環型の未来は可能か?(2010.07.15)











コメント