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2009年10月 2日 (金)

ただ流行っているというそのことじたいが

2010年春夏に向けて、ニューヨーク(9月10日~17日)、ロンドン(9月18日~22日)、ミラノ(9月23日~30日)に続き、パリ・ファッションウィークが開催されている(9月30日~10月8日)。パリはやはり格が違うようで、各国の報道も熱を帯びている。ひとりひとりのデザイナーの個性がくっきり伝わってくる。いまはほぼ同時にインターネットで動画中継を見ることができる。舞台裏まで同時に中継するブランドまで登場している。便利な時代になった。でも同時に、ファストファッションが瞬時にこれをパクることが問題にもなっている。

もっとも旬かもしれないバルマンのクリストフ・ドゥカルナン。肩強調のバルマンジャケットを流行させたことで注目をあびるが、こんどは穴あきTシャツである。虫に食われたように、Tシャツにぼろぼろと穴があいている。計算されつくした穴あきなんだろうが、どうなんだろう、これ。流行っちゃうんだろうか。流行っていうのは、美醜善悪まったく無関係に、「ただ、それが流行っているというそのことじたいが、よいのだ」といういかがわしい理由で力をふるってしまうことがある(そんな人間の行動のいかがわしさを暴いてみせるのもファッションの面白さである)。バルマンジャケットの勢いにのって、くるのか、穴あきTシャツ?

やっぱり絶対楽しいのが、ディオールである。インスピレーション源はフィルムノワール。ローレン・バコール風ヘアメイクの美女が、現代風エロスを効かせた40年代風タイトなシルエットのドレスで登場。最後にガリアーノがどんなコスプレで出てくるかというのは常に関心の的だが、今回はボギーに扮していた。いまだに20世紀の回顧展をやっているのかという批判は当然想定されるのだが、でもガリアーノのショウは見ているだけで無条件に笑顔になれる。旺盛なサービス精神に圧倒されつつ癒される、大好きなデザイナーの一人。

そしてパリコレは続く。


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