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2009年9月 3日 (木)

透明性の勝利

これもこぼれおちたネタ。政治でも、会社や学校の経営でも、商品の販売においても、芸能人のプロフィルでも、透明性を高めたほうが信用につながり、客が集まる、という「トレンドウォッチグ・ドットコム」のリポートがおもしろかった。名づけて、透明性の勝利(transparent triumph)。

商品のレビューサイトとか、質問がきたら即対応するカスタマーサービスの体制とかもそうか。なんだか買う前から、行動する前から、先が見えているようなスケスケ感に現代人は安心するんだろうか。

私は何かを見たり買ったりするときに、レビューサイトは努めて見ない。「みんなの意見」の「みんな」にだいたいはあてはまらないあまのじゃくということもあるが、まったく情報がない状態でモノや作品に接するほうが、自分のほんとうの反応と向き合う冒険(というとことばがデカいが、未知のものに向かうワクワク感という程度のニュアンス)にもなるし、自分にとっての価値を問う訓練にもなる気がするのである。いろんな人の意見を読んだり聞いたりするのは、「あとから」のほうが、がぜん面白い。

政治や会社や学校を選ぶときは、もちろん、ある程度事前情報が多い方がいいと思うが、それにしても、透明性に悪乗りしたとしか思えない、偏狭すぎる感情的な情報まで同じ「情報」として並列されるのはいかがなものかと思うことがある。

だから逆に、情報をすべて丸飲みせず、そこからノイズを排除していく読解力を高めていかなくてはならないことになるはずだが、それを面倒と感じる人が多いのか、ノイズばかりかノイズでないものまでカットされた、シンプルすぎるスローガンがもてはやされていく。「ユウセイミンエイカ」とか「セイケンコウタイ」とかもその一例。タイトル以上のことは何も語っていない「ベストセラー」とか。

透明性が勝利し、たくさんの情報が質にかかわりなく量として集まりすぎる時代には、皮肉なことに、単純きわまりない一つの「透明すぎる」スローガンに大衆は群れる。こんなんでいいのか。


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